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最新ハイエンドオーディオ、本当のところ ― 第9回

充実してきた単品ヘッドフォンアンプの実力を探る

本格派USB DACのバランス駆動で、音の世界に浸る

2014年12月29日 09時00分更新

文● 鳥居一豊

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GUIで入力ソースの切り替えも簡単、機能充実のOPPO「HA-1」

 OPPO Digital(以下OPPO)は、アメリカのカリフォルニアに本社を置くメーカーで、国内では「BDP-105DJP」などの高級BDプレーヤーのブランドとして知られるメーカーだ。そんなOPPOが次なる展開として選んだのが、なんとヘッドフォンアンプとヘッドフォン。

大型のディスプレーは曲名表示だけでなく操作のしやすさにも配慮している。特に入力切替が端子のアイコンとともに表示される点は秀逸。

 ちなみにヘッドフォンの「PM-1」「PM-2」はユニークな平面磁界駆動型ヘッドフォンであり、いわゆるダイナミック型とは異なる独特のサウンドが魅力だ。音質的にはそれぞれ異なるのであくまでイメージだが、同じ平面振動板である静電型のスタックスのイヤースピーカーの感触で、ダイナミックな音圧もしっかりと再現できるタイプと言うとイメージしやすいだろうか。

 ヘッドフォンアンプの「HA-1」に話を戻そう。USB DAC部のスペックはリニアPCM384kHz/32bit対応の最新鋭のもので、DACチップにはESS Technology社の「ES9018」を採用。Bluetoothによるワイヤレス接続機能も備えている。

背面端子。デジタル入力だけでなくアナログ入力も充実。高級パワーアンプなどをつなぐためのバランス(XLR)出力も持つ。

 アナログ部はフルバランス設計の回路を持ち、入力/出力ともにバランス、アンバランス接続の両方に対応。ヘッドフォンアンプの出力段はディスクリート構成のA級動作の回路としている。

 サイズは横幅254mm。背が高いので少々大きく見えるが、標準的な単品コンポと一緒に並べると、ほぼ半分くらいのサイズだ。

 前面には入力セレクターとボリュームを備えており、プリアンプ的な使い方まで視野に入れた作りとなっている。

幅はハーフサイズだが、奥行きは意外にあるので、デスクトップというよりはラック置きが基本になると思われる。

 ユニークなのが4.3インチの大きめのフルカラーディスプレー。設定により、スペクトラムアナライザー、VUメーター、ステータス表示(入力信号の種別や選択されている入出力などを表示)が切り替えられるほか、入力セレクターの切り替えやボリューム操作時には、瞬時に画面が入力選択、ボリューム表示に切り替わり、Hi-Fiオーディオ機器にはあまりないフルカラーディスプレーだが、GUIによる操作は直感的でなかなか快適だった。

フットもしっかりしており、十二分な高級感・安定感をかもし出している。
OPPO HA-1の主なスペック
対応デジタル信号 リニアPCM384kHz/32bit、DSD2.8/5.6/11.2MHz
デジタル入力 USB、光、同軸、AES/EBU(バランスドデジタル)
アナログ入力 バランス、アンバランス
アナログ出力 バランス、アンバランス
ヘッドフォン出力 バランス、アンバランス
サイズ/質量 W254×H80×D333mm/5.9kg

素直で整ったバランス、そしてNo.1の空間表現

 ではいよいよ音を聴いてみよう。試聴では、Windows パソコンを使い、Foobar2000で再生している。いずれもハイレゾ音源だ。ヘッドフォンにはゼンハイザーのハイエンドモデル「HD800」(実売16万4000円前後)を使用。まずは通常のアンバランス接続で聴いてみた。

 クラシックなどを聴いてみると、音質的にはニュートラルでヴァイオリンやビオラ、チェロ、コントラバスといった弦楽器の音色も丁寧に描き分ける。女性ボーカルを聴いても、色付けの少ない素直な再現となっている。実機の個性をあまり主張しないタイプで、低音から高音まで整ったバランスで音楽を聴かせてくれる。

 オーケストラのスケール感やボーカル曲のバックのベースやドラムの鳴りなどもしっかりと出るのだが、あまりブリブリと低音感を強めるようなことはなく、上品に描くタイプだ。

  続いてバランス接続。接続ケーブルはゼンハイザー純正のCH800S(実売3万7850円前後)がそのまま使える。

 バランス接続でまず感じるのは、耳の外側にまで音場が広がるかのような空間の広さ。これは今回聴いたなかでのNo.1の空間再現だった。ホールの響きの余韻もよりきめ細かくなり、より情報量豊かな再現になる。また、アンバランスではやや控えめだった低音も、ブリブリとまではいかないがよりエネルギー感のある出方になってくる。セパレーションの向上やS/N感が良くなるなど、バランス駆動の良さがしっかりと味わえる再現だ。

 最後に手持ちのオーディオ機器と組み合わせ、B&Wの「Matrix801 S3」で再生してみたが、奥行きのある音場感やオーケストラの楽器が整然と並ぶような鮮明なステージが現れた。粒立ちの良さや情報量の豊かさで、ステレオイメージがきれいに描かれることが一番の特徴と感じる。ニュートラルな音質傾向なので、そのぶん、個性の強いヘッドフォンやスピーカーとの組み合わせでも柔軟に鳴らしてくれる良さもある。

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