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米Google、ローカル検索の精度高める「ピジョンアップデート」を公開

2014年12月23日 06時33分更新

記事提供:SEMリサーチ

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米Google は2014年7月24日、ローカル検索結果の精度向上を目的としたランキングアルゴリズムの更新を行った。同社は今回のアップデートについて特に命名していないが、米Search Engine Land は将来このアルゴリズムを参照できるよう「ピジョンアップデート」(Pigeon Update)と名付けた。ローカル検索の更新で、鳩は帰巣本能に優れて巣に戻ることができるからという理由とのことだ。

ピジョンアップデートは、ローカル検索の品質改善目指す

ピジョンアップデートはローカル検索結果の関連性及び正確性を高めることを目的に実施された検索アルゴリズムの更新。Google担当者が Search Engine Land に伝えた内容によると、ピジョンは従来のウェブ検索で広く用いられてきた数々のアルゴリズムや検索機能とローカル検索アルゴリズとの連携・統合を深めたほか、距離と位置情報に関連するランキングパラメーターを改善しているという。

このアップデートは現在(2014年7月24日時点)のところ米国の英語検索結果のみにロールアウトされているが、他国や他言語への展開については明らかにされていない。また、ピジョンによる検索への影響度合いやスパム対策についての有無もコメントしていない。[UPDATE] カナダ、オーストラリア、イギリスにもピジョンアップデートが適用された(2014/12/20)


ローカル検索結果枠とウェブ検索双方に影響

地域性の高いウェブページ全般の自然検索トラフィックに広く影響が及ぶアルゴリズム更新となった。特にピジョンは、ローカル検索結果(枠)及び地図結果と、通常ウェブ検索結果の両方の検索結果に影響する。

地域依存性の高いクエリや、地域名を含んだフレーズで検索した時には一般的に、7件程度のローカル検索結果がウェブ検索結果に挿入される形で表示される。この枠は、おおよそ7件程度を表示(欧米では 7-Pack などと呼ぶ)していたが、ピジョンにより表示が3件に減少する、あるいは 7-Pack 枠そのものが消えるケースなどが多々報告されている。

距離や位置情報に関する処理も変更され、より検索者の現在地と関連性が高い地域情報が表示されるようになったことも影響していると推察される。

一方、標準のウェブ検索(ローカル検索結果枠外を指している)内に含まれる地域情報ページへのリンクにも影響が出ている。ピジョンがロールアウトされる前は、特に地域を示す文字列を含んで検索した時には、その地元の飲食店や店舗が表示される傾向が強かった。しかしピジョン実施後は、Yelp や OpenTable、TripAdvisor、Trulia、Craigslist など地域情報ディレクトリ系のサイトが数多く検索結果に表れるようになっていることが、米国の複数のローカルSEO専業会社が報告している。

地域情報集約型のディレクトリがオーガニック検索上位に表示される傾向が強まったことで、地元の店舗や施設の順位が相対的に押し下げられたことになり、検索流入に影響が出そうだ。


ベニスアップデートとピジョンアップデートの違い

ベニスアップデートは2012年2月に Google が発表したローカル検索関連のアップデート。ベニスは同社内のコードネームから命名された。ベニスは、地域依存性の高いキーワード(※ 地域を示す文字列を含まないけれども地域情報を探している意図が強い検索クエリ、例えば「歯科医院」「薬局」など)で検索した時に、検索ユーザーの現在地と関連性が高い地域情報ページを検索結果に表示する仕組み。

cf. [解説] Googleベニスアップデート、地元密着の事業者やメディアに恩恵?

一方、ピジョンアップデートは、ローカル検索アルゴリズムと従来のウェブ検索のアルゴリズムや検索機能との関係性を深めて、ローカル検索結果全体の品質改善を狙ったもの。地域名を含む検索クエリで特に顕著に表れる。


Google “Pigeon” Updates Local Search Algorithm With Stronger Ties To Web Search Signal
http://searchengineland.com/google-makes-significant-changes-local-search-ranking-algorithm-197778

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