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天井や壁面全体が光るような低コスト有機EL照明の実用化に期待

山形大、LEDに匹敵する高効率な塗布型有機ELを開発

2014年12月19日 15時37分更新

文● 行正和義

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発光層と電子輸送層の積層構造を用いて作製した塗布型白色有機EL素子

 山形大学は12月18日、多層構造を持つ塗布型有機EL素子で、LEDに匹敵する高効率発光に成功したと発表した。

 有機EL、とくに印刷プロセスで製造できる塗布型有機ELは製造コストが非常に安くあがることから次世代の表示/照明デバイスとして期待されているが、LEDに比べて電気から光に変える効率が低いのが難点だった。

17種類の低分子有機EL材料(カルバゾール系低分子有機EL材料) 

 有機ELは電子輸送と発光を担う材料があり、これを別々の層とすることでそれぞれに最適な材料を使えば効率は上がるものの、塗った材料が溶剤に溶け出してしまうという問題があり、製造が難しいとされていた。今回、山形大学では17種類の低分子有機EL材料を薄膜化したときの溶解性を詳細に調べ、分子量の増加とともに溶剤(アルコール類)へ不溶化する閾値を明らかにした。

低分子有機EL材料のアルコール類への溶解性

 最適化した材料で積層された電子輸送層と発光層による白色有機ELでは、輝度100cd m-2時に世界最高水準の電力効率34lm W-1を示し、半球レンズを用いた光取り出しでは市販蛍光灯やLEDに匹敵する76lm W-1という高効率が得られた。

素子の電力効率(lm W-1)と外部量子効率(%)、輝度(cd m-2)

 なお、山形大では同様に“重ね塗り”による有機半導体(有機ELディスプレー)の高効率化にも成功しているが、有機ELディスプレーでは塗布層に光を当てて不溶化しているのに対し、白色有機ELの製造では材料濃度による不溶性を用いており、手法自体は異なる。

 いずれにしても印刷プロセスによって低コスト大量生産が可能な塗布型有機ELがLEDに匹敵するほどの高効率で発光できるということは、次世代照明デバイスとしての可能性が一気に高くなったと言える。

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