荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第386回

FZ1000にRX100M3……2014年の猫デジカメ総まとめ（その1）

ソニー「DSC-RX100M3」やキヤノン「Powershot G7X」
滑り込みでオリンパス「Stylus 1s」も今年のおススメ！

ソニー「DSC-RX100M3」

　このクラスのハイエンドコンデジを引っ張ってきたソニーからは「DSC-RX100M3（マーク3）」が出た。他社より一足早く3代目である。

　こちらも望遠側がちょっと弱いので遠くの猫を撮るのは苦手だが、モニターがチルトするのでしゃがんで猫目線で撮るのも簡単。

　コンパクトで携帯性も高いのである。大きめのポケットなら入っちゃうという気軽さとハイエンドさの両立がソニーらしい。

ちょびひげが可愛い猫。しゃがんで地面スレスレから狙ってみた（2014年6月 ソニー Cyber-shot DSC-RX100M3）

　夏過ぎにはキヤノンも新しいハイエンドコンデジを出してきた。チルト式モニターにタッチAFを搭載した「Powershot G7X」だ。

キヤノン「Powershot G7X」

　猫を撮るにはとっさにピントを合わせられるタッチAFがうれしいモデルである。

夕方、街を歩いてたら塀の上にいた猫を見つけたのでとっさに撮影。ほうれい線（猫の場合はそうはいわんけど）っぽいラインが渋い（2014年9月 キヤノン Powershot G7X）

こちらも街歩き中に見つけた猫。塀の向こうで昼寝してたところを起こされてちょっと不機嫌。いや、起こしたつもりはなくて、たまたま互いに存在に気づいたというだけなんだけど（2014年9月 キヤノン Powershot G7X）

　ちなみに「ハイエンドコンデジ」の定義って何？　と聞かれると、普及型コンデジより大きなイメージセンサーを搭載したカメラ、ということにしている。

　イメージセンサーを大きくすると、画質はぐっと上がるが、その分価格も高くなり、レンズも大きくなるので普及型コンデジほど小さくはできないしズーム倍率も下がる、けど、画質はワンランク上だよ、ということだ。

　上で取り上げた機種はすべて1型以上のイメージセンサーを搭載したモデル。このくらいなら画質も……少なくともどのスマートフォンよりもワンランク上の画質を楽しめるので写真好きの方、スマートフォンで猫をきれいに撮れないとお嘆きの貴兄はぜひ。

　最後に、イメージセンサーサイズは小さいけど、広角も望遠もいけてチルト式モニター＋タッチパネルを搭載してて、お気軽猫撮りカメラとして昨年から推奨してるオリンパスの「Stylus 1s」も滑り込みで。

オリンパス「Stylus 1s」

　Stylus 1sはStylus 1の後継機なのだが、2015年にはファームウェアアップデートでStylus 1s同等に進化するそうなので、ユーザーの方はお楽しみに。

さすがにこのクラスは室内で感度を上げて撮るとノイズが気になるけど、飼い猫を室内で望遠で撮れるのはけっこう楽しいのである（2014年12月 オリンパス Stylus 1s）

　1年365日もあると、今日はちゃんと写真を撮るぞ、と本気のカメラを用意して出かける日もあれば、特にその気がなくてふらふら普通に歩いてたら思わず猫に出会って「あ、撮りたい」って日もあるわけで、後者のために、優秀なお散歩コンデジをいつも求めているのであった。

筆者紹介─荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい！』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』（ソフトバンク新書）、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』（玄光社MOOK）。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/