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myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画」 第39回

次回コミックマーケット88のトレンドも予想してみた

恒例!コミックマーケット87とpixivの二次創作人気を調べてみた

2014年12月18日 18時00分更新

文● myrmecoleon

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pixivからのコミケ予想 夏コミはどうなる?

 今回もコミケのサークル数とpixivの二次創作投稿数を比較してみます。

 まず確認として、今回の申込み前後の今年7月から9月の投稿数と前回・今回のサークル数をみてみます(グラフ4)。

 「ハイキュー!!」「弱虫ペダル」「ラブライブ!」「Free!」については、コミックマーケット86での規模に対してpixivのこの時期の投稿規模が大きく、コミックマーケット87ではサークル数が増加しています。また「黒子のバスケ」「進撃の巨人」については86のサークル数に対してpixivの投稿規模が小さく、87でサークル数が減少しています。

 これらはpixivでの投稿活動とコミケのサークル申し込みが相関している印象です。

12月上旬時点で見られるpixivの関連タグのイラストのデータを収集し、2014年7~9月の投稿の各作品関連のタグが付いたイラストをまとめて集計したもの。緑の透過しているのがpixivの投稿数。pixivの投稿数は左軸、コミケのサークル数は右軸。左右の軸はおおむね両値の比の平均に近くなるように調整している

 一方、「東方Project」「VOCALOID」「ヘタリア」はpixivの投稿規模が大きいにも関わらずサークル数は減少、「アイドルマスター」「TIGER&BUNNY」はpixivの投稿規模の小ささにも関わらずサークル数は増加しました。また「艦隊これくしょん」は規模の差が少ないにも関わらずサークル数が増加しています。

 pixivの規模感からすれば、「艦隊これくしょん」のサークル数の増加、「東方Project」の減少はともにそろそろ止まりそうで、前回はそのように予想したのですが、予想ははずしてしまったようです。

 「VOCALOID」は前回も同様に相関しない結果でしたし、「東方Project」「ヘタリア」は同様にネット人気の高い作品ですので、これらはpixivの投稿数だけでは推定できない部分が大きそうです。「VOCALOID」「ヘタリア」はpixivでも海外投稿者の多い作品ですし、「TIGER&BUNNY」は二次創作作者の平均年齢が高い傾向があります(ちなみに夏コミで自分の頒布した同人誌「コミケ、pixiv、ニコニコ動画2014」ではこうしたpixivのタグごとの投稿者の平均年齢や海外投稿者の比率等もまとめています)。こうした投稿者の傾向とコミケ参加への相性が影響しているのかもしれません。

夏コミ予想はハイキュー!!、弱虫ペダル、ラブライブ!が増
東京喰種も拡大か

 上記をふまえて最近の投稿数をみてみましょう。グラフ4では10月から12月上旬までのpixivのイラスト投稿数とコミックマーケット87のサークル数を比較しています。今度は夏コミ以降アニメ化でpixiv投稿数が急上昇した作品である「東京喰種」も載せてみました。次回コミックマーケット88の申込みは来年1月中ですので、12月から1月にかけての動き、たとえば来年1月スタートのアニメの出来不出来などにも左右されますが、おおまかな傾向はつかめると思われます。

 「艦隊これくしょん」「東方Project」に関しては現在pixiv上の投稿規模はほぼ同じのため、前回同様に「艦これ」減・「東方」増の予想になるのですが、同様の状況で今回逆の結果になっているため難しいところです。

 「ハイキュー!!」「弱虫ペダル」「ラブライブ!」の人気は現在も継続しています。次回夏コミでもサークルの増加が見込まれるところです。特に「ハイキュー!!」人気は高いです。

 「黒子のバスケ」はグラフではpixivが下回っているため減少する見込みですが、来年1月からアニメ3期がスタートしますので、その点を考慮すると増加もあると思われます。「進撃の巨人」はおおむね釣り合っているので、夏コミでは現状維持あるいは増加でしょうか。「Free!」は2期アニメ終了後投稿数が落ちてきているので次回は減少が見込まれます。

 「アイドルマスター」は今回SideM人気でサークル数が増えましたが、SideM関連のイラストの投稿は以降減少していますので、次回は少し減るかもしれません。

「東京喰種」はアニメがコミックマーケット87では申込み直前のスタートだったこともあり、あまりサークル数はありませんでしたが、その後のpixivの投稿数は増えていますし、来年1月からアニメ2期がスタートしますので、夏コミではかなり増加すると予想されます。

 「TIGER&BUNNY」「ヘタリア」「VOCALOID」に関してはこれまでの調査を考慮するとpixivの投稿数からは予想しづらいですが、傾向としては減少寄りと思われます。

グラフ4と同様、12月上旬時点で見られるpixivの関連タグのイラストのデータを収集し、2014年10~12月の投稿の各作品関連のタグが付いたイラストをまとめて集計したもの(12月は調査時点の12月上旬まで)。緑の透過しているのがpixivの投稿数。pixivの投稿数は左軸、コミケのサークル数は右軸。同じく左右の軸はおおむね両値の比の平均に近くなるように調整している

 前回前々回の調査で、近い時期のpixivの投稿数からある程度次回の各作品のコミケ申込み規模が推定できることが分かりましたので、今回は直近のpixivの投稿数から次回のコミックマーケット88のサークル数の増減を予想してみました。

 たぶんある程度ははずすと思いますが、どのようなはずし方をしているかを見ることでコミケとpixivの二次創作の関係などが読み取れるのではないかと思います。

 また自身の夏コミ新刊の調査と対照して、上記の方法で予想しづらい作品と作品毎の投稿者の平均年齢・国外投稿者の比率に関係がありそうことが分かってきたため、次回はこちらをふまえて予測の改良などもできるかもしれません。

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