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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第182回

iPhone 5のガラスに付いたキズをダメモトで磨いてみる技

2014年12月17日 10時00分更新

文● 柳谷智宣

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酸化セリウムで科学的&物理的に研磨する

 次に、酸化セリウムの粉末を試した。酸化セリウムは、ガラス研磨剤の定番で、時計の風防やカメラのレンズを磨いている人も多い。酸化セリウムは、単に粒子で研磨することに加えて、ガラス(二酸化ケイ素)と化学反応を起こし、表面の凸凹を滑らかにできるという特徴がある。

 「化学反応」が助けてくれるに違いない、と早速チャレンジ。酸化セリウムを水で溶いて綿棒でこする。ダイヤモンド研磨剤で味わったように、時間がかかるのは覚悟の上だ。

 1時間経過。あまり効果が見られない。柔らかい綿棒なので、ダイヤモンドパッドのように力を入れてこすれないからだろうか。化学反応は見てわかるものではなかった。そこで、綿棒を2本、3本と増やしてみた。

 そのまま映画を2本分、4時間近くこすり続けた。途中で何度もタオルで拭いて状況をチェックし、これは集中する必要があると判断。2つある大きいキズのうち、上の方を研磨した。その結果、爪がひっかかる深さのキズがずいぶん滑らかになり、ほとんど目立たなくなった。これは明らかにキレイになっている。上の浅いキズをこすっていたら、完全に消えていただろう。ダイヤモンドパッドで削った時のような微細なキズもあまりつかなかった。

酸化セリウムの粉末。東急ハンズの製品で、45g1440円だった

酸化セリウムをスプーン1杯取る

水を入れてかき回すとキレイに混ざった。これを綿棒でこする

キズのところをごしごしとこする。あまり手ごたえはない

思ったように効果が出ないので、3本まとめてごしごしした

酸化セリウムだけで約4時間こすった

画面下の目立つキズの上にあったもう1本のキズがほとんど目立たなくなっている。右側を中心にこすっていたが、そこはほぼ消えた。もちろん、爪も引っかからない

キズは取りきれずコーティングは剥がれ……

 研磨したのだから、当然こすったところは撥油コーティングが剥がれている。油で汚れた指で画面を触ると、明らかに剥がれた部分がもろに判る。とはいえ、剥がれた部分の視認性が落ちているかと言うとそうでもない。触った感触にも違いはなく、iPhoneの操作もまったく問題なかった。

油で汚れた指で画面を触りまくったところ。画面左上はこすっておらず、その境界がなんとなくわかる

 ダイヤモンドと酸化セリウムで、半日以上画面をこすり続けた結果、細かいキズは消え、目立つキズも集中してこすれば目立たなくなった。とはいえ、まだまだキズは残っている。特に画面下のキズは、爪がもろに引っかかるレベル。たぶん、あと10時間こすっても完全に消えることはないだろう。2000円以上を投入したのにちょっともやもやした結果に終わってしまった。

 本来はここまでの予定だったが、もうちょっとあがいてみることにする。後編ではリューターを買ってきて、毎分1万回転で酸化セリウム磨きにチャレンジしてみる。

 もしキレイになったなら、剥がれたコーティングを復活させるコーティング剤を導入する予定だ。また、研磨した画面にガラスフィルムがきちんと貼り付けられるかも実験することにする。


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「ポケット百科 GALAXY SII LTE 知りたいことがズバッとわかる本」(翔泳社)「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。


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