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東京データセンターも利用可能。Docker対応やPaaS活用支援組織などの強化策も

IBM、顧客専有インフラでPaaS「Bluemix Dedicated」提供

2014年12月16日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 日本IBMは12月15日、同社PaaS「IBM Bluemix」において、新たに顧客専有インフラで提供する「IBM Bluemix Dedicated」を開始したほか、複数のサービス強化を発表した。顧客のPaaS活用を支援する組織「エンタープライズBluemixセンター」も新設する。

 IBMでは、Bluemixのベータ提供を今年2月に、続いて正式提供を今年6月に開始した。パブリッククラウド(IaaS)の「IBM SoftaLayer」をインフラとし、Java/Ruby/Node.jsなどに対応するPaaSプラットフォーム「CloudFoundry」を用いたマルチテナントPaaSとして提供してきた。

 今回のBluemix Dedicatedでは、SoftLayer上にユーザー専用区画/専用サーバーを用意し、シングルテナントのPaaS環境を提供するサービス。ユーザーが物理サーバー/ストレージ/ネットワークを専有できるため、特にエンタープライズ顧客が必要とする、高度なセキュリティ/コンプライアンス要件を満たすPaaS環境が実現する。

IBM Bluemix Dedicatedがもたらす価値

 Bluemix Dedicatedは、基本パック(ランタイム用メモリ容量128GBの最小構成)が月額約400万円。ここにはJavaやRuby、Node.jsなどのランタイム、必要なSoftLayerのリソース、顧客環境とのVPN接続、技術サポートなどが含まれる。最低契約期間は1年間で、以降1カ月単位で更新。リソースの増減も1カ月単位で行える。

 なおIBMでは、SoftLayer東京データセンターを年内に開設することを発表済みだ(関連記事)。Bluemix Dedicatedでは、利用するSoftLayerデータセンターを選択できるようになっており、もちろん東京データセンターを選択することもできる。

IBM Bluemix Dedicatedの提供価格、提供モデル

 加えて今回、マルチテナントのBluemixにおいてもサービス強化が2点発表された。1点目の「プライベートAPIカタログ」は、オンプレミスシステムのAPIをBluemixの自社APIカタログに追加できる機能で、オンプレミスのシステムやデータと連携するアプリケーションの開発が安全かつ容易になる。もう1つは「Dockerとの連携」で、SoftLayerのベアメタルサーバー上で稼働するDocker環境に対し、Bluemix側からデプロイなどの操作が可能になるというもの。Bluemixがカバーしない独自環境をDockerコンテナでデプロイすることで、より幅広いアプリケーション環境が実現する。

Bluemixから、SoftLayer上のDocker環境をコントロールできるように

 さらに、IBM東京ラボラトリー内に「エンタープライズBluemixセンター」を開設することも発表された。これは日本の顧客がBluemixを活用する際の技術的サポートを行う専門組織で、同時にBluemixの機能拡張や技術的協業などの相談窓口という役割も果たす。同センターは、来年(2015年)第1四半期に活動を開始する予定だ。

顧客ニーズの高かったインフラ専有型Bluemixを提供

 発表会に出席した日本IBM ソフトウェア事業本部長のヴィヴェック・マハジャン氏は、IBMクラウドの価値は“ハイブリッドクラウド”にあると述べ、今回発表されたBluemix Dedicatedも、ハイブリッドクラウドの活用を必要とする顧客の声から生まれたものだと紹介した。

日本IBM 専務執行役員 ソフトウェア事業本部長のヴィヴェック・マハジャン氏

日本IBM ソフトウェア事業本部 クラウド・プラットフォーム・サービス事業部 事業部長の高瀬正子氏

 同様に、クラウド・プラットフォーム・サービス事業部 事業部長の高瀬正子氏も、Bluemixのシングルテナント提供は「日本だけでなく、世界中の顧客から求められていた」と、Bluemix Dedicated提供の背景を説明した。

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