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SDNを使ってオフィスネットワークの運用負荷を軽減

アライドテレシス、オフィス向けSDNに向けて5社連合を展開

2014年12月12日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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2014年12月11日、アライドテレシスはオフィス環境向けのSDNを実現する「Secure Enterprise SDN Solution」を発表した。クオリティソフト、ストラトスフィア、トレンドマイクロ、ラクラスと連携し、「企業向け製品メーカーによる企業のためのSDNソリューション」を実現するという。

SDNを使ってオフィスネットワークの運用負荷を軽減

 Secure Enterprise SDN Solutionは、OpenFlow/SDNを活用することで企業ネットワークの運用負荷の軽減やセキュリティ確保を実現するもの。従来、データセンターや通信事業者向けのテクノロジーとして開発されてきたSDNの技術をオフィス向けネットワークに活用する。アライドテレシス プロダクトマーケティング部の中島豊氏は、「SDNやOpenFlowはデータセンター向けの技術として生まれたが、当時からオフィスのネットワークの方が有効性が高いのではないかと思っていた」と語る。

アライドテレシス プロダクトマーケティング部 中島豊氏

 具体的なソリューションは、ストラトスフィアのオフィス向けSDN「OmniSphere」のコントローラーをベースにしたネットワークインフラ上に構築される。ラクラスの人事ワークフロー・BPO、クオリティソフトのIT資産管理ツール、トレンドマイクロの脅威検知システムなどを連携したオフィス向けソリューションを提供する。アプリケーションがOpenFlowを介して、ネットワーク機器を制御するのが大きな特徴だ。

Secure Enterprise SDN Solutionの概要

 たとえば、「人事ワークフロー(ラクラス)+IT資産管理連携(クオリティソフト)」のソリューションでは、人とデバイスの移動に連動して、ネットワークやセキュリティの設定を自動化する。引っ越しや組織変更などで人事データや端末情報が更新された段階で、SDNコントローラーに配下のSDNスイッチをコントロール。部署異動や拠点の移動などがあっても、場所、時間にあわせてユーザーのアクセスを動的に制御できる。

 また、トレンドマイクロ製品を使った「ふるまい検知システム連携」では、アライドテレシスのスイッチのフロー情報をトレンドマイクロが解析し、不正なパケットを異常検知した場合は、OmniSphereに通知。仮想ネットワークの論理構成を動的に変更し、不正な端末の隔離や、悪性サイトへのアクセス遮断を自動的に行なう。その他、利用時間や場所に応じたアクセスの制限やタブレットやスマホなどを持ち込むBYODの設定や運用の自動化などを可能にする。

Secure Enterprise SDNでのシステム連携

コスト削減、セキュリティと利便性の両立

 「企業向け製品メーカーによる企業のためのSDNソリューション」を謳うSecure Enterprise SDNでは、企業内でのIT運用管理コストの削減と安全性の実現、業務の利便性向上などを実現する。「セキュリティと利便性は通常相反する要件。これを両立できるSDNソリューションという点が大きい」と中島氏は語る。

 Secure Enterprise SDNに対応するアライドテレシスのネットワーク機器は、IEEE802.11a/b/g/nに対応した無線LAN AP「AT-TQ3600」や1/10GbpsのSFP+を48スロット搭載した有線LANスイッチ「AT-DC2552XS」、1Gbpsのカッパーポートを24ポート搭載した「AT-x510-28GTX」など。2015年2月にはアライドテレシス本社にシステムデモをオープンさせるほか、2015年第2四半期にはシステム販売を開始する。

Secure Enterprise SDNに対応する各種スイッチや無線LAN AP

 Secure Enterprise SDNは同社が強みを発揮する自治体、文教、医療などを皮切りにさまざまな業種に展開される。2017年には50億円規模の売上を目標にする。将来的には、参加企業をコンソーシアム化し、APIを標準化する計画もあるという。

発表会に参加したアライドテレシス、クオリティソフト、ストラトスフィア、トレンドマイクロ、ラクラスの代表

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