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パートナー13社と協業、OSSベースのクラウドへの移行支援サービス

「WindowsからOSSクラウドへ」レッドハットが移行支援を強化

2014年12月11日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 レッドハットは12月10日、パートナーと共同で提供するレガシーマイグレーション支援窓口「Red Hat OSS Integration Center」の取り組みを強化し、新たにWindows ServerからLinuxやオープンソース(OSS)ベースのクラウド環境への移行支援サービスの提供を開始したことを発表した。

「Red Hat OSS Integration Center」によるWindows Server 2003サーバーの移行

 レッドハットでは2013年9月、メインフレーム/UNIXシステムのLinux移行を支援する目的でOSS Integration Centerを開設し、SIベンダーなどのパートナー46社とともに運用してきた。今回、来年に控えたWindows Server 2003のサポート終了(関連記事)にも合わせ、10月より新たにWindows Serverからのマイグレーションを扱うサービスを提供開始した。

 具体的なマイグレーション対象は、Webサーバー、ファイルサーバー、Active Directory、データベースなどのワークロードとしている。パートナーと共同で、顧客システムの現状調査、OSSの適用範囲提案、移行ロードマップ策定、移行、運用支援、次世代システムへの更新検討までをサポートする。アプリケーションに関しても、実行環境(Java、.NETなど)に応じて最適な移行手法を提案する。

移行サービスの詳細。現状調査から移行方法の提案、移行作業、運用サポート、更新までを、パートナーと共にサポートする

 同サービスのパートナーは現在13社(NECソリューションイノベータ、SCSK、SRA OSS、オープンソース・ソリューション・テクノロジ、サイオステクノロジー、ソフトバンク コマース&サービス、デル、日立ソリューションズ、富士ソフト、富士通、富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ、三菱電機インフォメーションシステムズ、ユニアデックス、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ)。

TCO削減、クラウドへのポータビリティなど優位性をアピール

 発表会でレッドハット 代表取締役社長の廣川裕司氏は、ITのクラウド化とモバイル化が進展するなかで「非Windows」の選択が広がっていることを強調した。特に、サーバーOSとしてのLinuxの存在感は引き続き高まっており、国内サーバーOS市場において、2007年のシェア10%から2014年には25%まで成長したとするIDCのデータを示した。

レッドハット 代表取締役社長 廣川裕司氏

レッドハット 常務執行役員 パートナー・アライアンス営業統括本部長の古舘正清氏

 同社 常務執行役員 パートナー・アライアンス営業統括本部長の古舘正清氏は、サブスクリプションモデルによるサポート切れへの柔軟な対応、TCO削減効果、クラウドへのポータビリティ、ミッションクリティカルサポートといった点で、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)はWindowsに対する優位性を持っていると説明した。

 古舘氏は特に、Windows Serverではクライアント台数分のライセンス(CAL)やデータベースのライセンスなどを購入する必要があり、RHELとOSSの環境に移行することで大幅なTCO削減につながると強調。また「Red Hat Cloud Access」認定クラウドプロバイダーへの移行においては、オンプレミスのRHELライセンスをそのままクラウドで使える利点もあると述べた。

 今回発表した移行サービスのターゲットとして、古舘氏は、Windowsとマイクロソフト製品を標準プラットフォームとしておらず「Windowsへの依存度を下げたい」と考える大手中心の企業だと述べている。

 また将来的な展開として、Windows Server 2003に留まらない幅広いWindows Serverワークロードの、OSSクラウドへの移行を促進していく方針だと述べた。Dockerコンテナ技術を中核とした、アプリケーションエコシステムを構築していくとしている。

“Windows to Cloud”をさらに展開していくと古舘氏

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