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Twitter乱用の報告がより簡単に

2014年12月12日 08時00分更新

文● Adriana Lee via ReadWrite

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そろそろ対応してもいい頃だ

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先週火曜日、Twitterはその乱用への批判に対し、新しい報告及びブロックのためのツールを発表する事で答えた。

オンラインハラスメントの報告及び抑止のための手段が、まもなく全てのユーザーに提供される。Twitterはこの件について慎重になっているようだが、何はともあれサービスを利用するユーザーを保護するために本腰を入れはじめたようだ。

ではどういう事かみてみよう。

Tweetの乱用をどの様に報告するのか

脅迫めいた言動はTwitterのサービス規約に違反する。しかしながらこれまでそういった言動に対して、報告のために用意された仕組みはお粗末なものだった。

例えばTwitterは犯行のレポートを他人が見ることを許しておらず、事故だと報告できるのは被害者だけだった。以下は過去のヘルプセンターのページ(Google Cacheから)だ。

Twitterの乱用を報告できるのは誰?

サービスの乱用、脅迫的行為およびプライバシーの侵害の事例の調査の為に、我々は当事者またはその正式な代表者に連絡を取らなければなりません。第三者からの要求には対応できません。[...] もしあなたが正式な代表者ではなくとも、被害者と面識がある場合、被害者本人にオンラインフォームを通じて事例を報告するよう勧めてください。

[太字はReadWriteによる強調]

被害者はいくつものフォームの質問に答えなければならず、サービス乱用の報告プロセスは、事実上その気を削ぐものだった。

しかし今、Twitterはあらゆる人々に対し、攻撃的な振舞に対する報告用のツールを公開した。このツールは報告のステップを省略化するだけでなく、スマートフォンからの報告もより簡単に出来るようになっている。

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この様な取り組みはサービスをより便利にするものに思える。もちろんこれはおかしいと思える事を、誰がどこからでも報告出来るわけだから、その中にゴミが混ざることがあるだろう。そうなるとこのツール自体がハラスメントの手段になり得るので、Twitterはこれに対処するためにリソースを割く必要がある。

またTwitterは新しいブロックアカウントを含む設定画面を刷新した。ユーザーはブロックしているアカウントをその画面および、プロファイルバーで確認及び編集することが出来る。

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仕組みとして完成度が高いわけではないが、こういった変化は明らかな前進だ。もっとも遅きに逸したところはあるが。

Twitterの乱用は笑い事ではない

Twitterは既にネット民にとってのホームになった。ネガティブなツイートは瞬く間にヘイトスピーチや脅迫を巻き起こす。

昨年、ジャーナリストでありフェミニストでもあるキャロライン・クリアード・ペレスが英国の硬貨に女性の顔が使われている事に触れた件で、山のような嫌がらせのツイートが寄せられた。クリアード・ペレスによると、一分に一度の割合でお前を強姦するというツイートが寄せられたという。間も無くTwitterはレポートのためのツールを発表したが、英国のジャーナリストはそれについて、大量の脅迫に対応できるようなものではないと評した。結局彼女はTwitterを辞める事になる。

最近のTwitterによる対応は、程度が酷いオンラインハラスメントによるものだ。8月、ゼルダ・ウィリアムズは彼女の実父、コメディアンであるロビン・ウィリアムズの死に関わるツイートに悩んでいた。止むことのない個人への酷い攻撃は彼女を悲劇に追いやることとなり、やがて彼女はネットをやめるに至る。

その後、Twitterは「ポリシーを見直す」と宣言した。そして今回の発表はその約束をはたしたものだ。しかしこの対応が企業に神経質なイメージをもたらしたり、ユーザーが自分の安全を損なうのではないかという嫌気を催すことはないだろうか?

この点についてTwitterは理解しているようだ。そこで彼らは事が起こる前の改善をまもなく行うという。事実、Twitterはその機能(おそらくはそのイメージも)の改善は始まったばかりだと宣言している。

「我々のこの分野における変化はやり遂げたというには全く当たらない」と、Twitterはブログにそう投稿している。Twitterは後々、新しい乱用に当たるアカウントへの強制手続きを施工するとのことだ。Twitter保安部門の副社長、デル・ハーヴィーは「我々は傍観者からの報告も含んだ行動の兆候を、報告の優先度の決定及びそのレビュー過程の迅速化に利用する」と宣言した。The Vergeの報告によると、複数のアカウントをまとめてブロックするバルク・ブロッキングがメニューに追加されるという。

オンラインハラスメントの対処は難題だ。例えアカウントが止められても、幾つでも新しくアカウントを作れるのであれば尚更だ。そういった意味で、Twitterは終わることのないモグラ叩きに挑んでいると言える。しかしいよいよ、Twitterはそのモグラを叩くのにふさわしい槌を用意したのかも知れない。

この件に関してTwitterにコメントを求めているが、今のところ回答は得られていない。

画像提供:
トップ画像:Anthony Quintano
その他の画像:Twitter

Adriana Lee
[原文]


※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら


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