新レンズでこれでもか、というぐらい屋外の猫を撮る!
でも、望遠レンズが力を発揮するのはやはり屋外。
やっとこのレンズを使って外の猫を撮れたので、今回は新レンズ記念望遠ネコ祭なのである。
最初に見つけたのがこいつ。公園にいた地域猫。ベンチの前で日向ぼっこしてるときに目があったので、そのまま這いつくばって望遠で1枚。
冬の午後の日差しを浴びてキリッとした姿がすごくシャキッと写ってて気持ちいい。これはいいレンズだぞ。
この猫、めちゃ愛想がいい。このあと近づいても逃げないし、時間をかければ撫でさせてもくれる。
他のネコはどうしてるかなと公園内を散歩すると、いつの間にかまたそこに現われて花壇を横切ってる。
あれ? さっきそっちにいた猫がなぜあっちから現われるんだ? と思いつつ、遠くからこっそり撮影なり。
さっきの猫なら人なつこいからいいよな、と。私がちょっと近寄ろうとすると警戒してすぐどっか行っちゃう。
あれ? おかしいなとよく見たら、なんと、最初の猫とは違うのであった。途中で気づいた。
模様はそっくりなんだけど、こっちの猫は耳に去勢した印のカットがないし、さっきの猫はよく見ると首輪をしてるけどこっちはしてないじゃないか。
猫の世話をしてるボランティアさんがいたので尋ねてみると、やはり兄弟なんだそうな。1匹はすごく人に慣れてるのに、もう1匹は警戒心が強くて近寄らせてくれないんだという。
なるほど。どこで性格の違いが出てしまったのだ兄弟。
猫ボランティアさんと立ち話をしてたら日がどんどん傾いていくのが冬の常。
でもほかにも猫はいるよと教えたもらえた。
そして偶然見つけたのが池の畔でくつろいでたミケの猫。人は立ち入り禁止の場所なので、猫的には安心できるのだ。
そんなとこにいる猫を撮るには望遠レンズしかない。
猫が驚かない程度に近寄って撮れる場所を探してそっと狙ってみたのがこちら。ちょうどペロッとした瞬間を撮れた。
そろそろ16時を過ぎる。この季節はもう日が沈みはじめ、望遠で猫を撮るには難しい時間になる。
歩き疲れたこともあり、そろそろ帰宅しようかと、池の脇にあるあずまやで椅子にバッグを置いてカメラを片付けようと思ったら、目の前にある松の木がなんかヘンだ。
不自然なものがのっかってる。
猫である。それも最初に出会った人なつこいチャトラじゃないか。
予想外の場所で驚いた。猫に松。なかなかよい風情ではないか。
もちろんカメラを片付けるのは中断。その姿を愛でさせていただく。
この姿をもう1枚。
松にのっかってる様子がよくわかるよう、横に回って望遠で狙ったのが前ページの冒頭の写真だ。なんというか、いい場所をみつけたもんである。こういう出会いがあると散歩も楽しい。
よし、猫付きの松も撮ったことだし、今度こそ帰るぞ、と公園の出口へ向かうと、またもや視界に違和感が。
すっかり周辺視野が猫に敏感になってるのだ。
そこにいらしたのは黒い暖かそうなコートを着てベンチに座っている年輩のご婦人である。何気なく目をやると、黒くて暖かそうなコートの上に、黒くて暖かそうなものをのっけてるじゃないか。
黒いコートに黒い猫である。
思わず「あっ」と声を出してしまったらご婦人と目が合ったのでそのままちょっと猫の話をし、その姿を撮らせていただいた。
冬の猫はこれがあるんだよな。こうしてると猫も人もぬくぬくできるという、よい関係である。
この黒猫、ご婦人に「カメラの方を向いて目を開けてあげて」なんていわれてちょっとむすっとしたんだけど、膝の上から動こうとはせず、むしろお気に入りの場所を死守するぞという気概に満ちていたのであった。
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筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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