ランダムライトが高速化した「Samsung SSD 850 EVO」の性能

文●石井 英男

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HD Tune Proでは850 EVOが
840 EVOを上回る結果

 今度は「HD Tune Pro 5.50」を利用して、より詳細なテストを行なった。HD Tune Proでは、ディスク全域にわたるテストが可能である。結果は下に示した通りで、850 EVOのリード速度は、多少上下があるものの、ほぼ安定しており、平均は355.3MB/sとなった。

Samsung SSD 850 EVO

Samsung SSD 840 EVO

HD Tune Pro 5.50(リード)

 また、ライト速度の平均は334.7MB/sであった。840 EVOでは、リード速度の平均は344.6MB/s、ライト速度の平均は327.8MB/sであり、公称スペックは同じだが、HD Tune Proでは、850 EVOのほうがリード、ライトともに高速という結果になった。

Samsung SSD 850 EVO

Samsung SSD 840 EVO

HD Tune Pro 5.50(ライト)

 850 EVOのファイルベンチマークの結果は、シーケンシャルリードが47万8601KB/s、シーケンシャルライトが46万4267KB/sで、IOPS値は4KBランダム(QD1)のリードが9127、ライトが2万5462、4KBランダム(QD32)のリードが9万1819、ライトが8万6711となった。

Samsung SSD 850 EVO

Samsung SSD 840 EVO

HD Tune Pro 5.50(ファイルベンチマーク)

 840 EVOは、シーケンシャルリードが49万82KB/s、シーケンシャルライトが45万9482KB/s、IOPS値は4kBランダム(QD1)のリードが7015、ライトが2万4198、4KBランダム(QD32)のリードが5万8300、ライトが7万6651。

 シーケンシャルリードは840 EVOのほうが高速だが、それ以外は850 EVOが高速という結果になった。特に、QD32での性能差が大きい。

 公称スペックでは500GBモデルの場合、QD32のIOPS値は850 EVOと840 EVOは同じなのだが、HD Tune Proでは、850 EVOのほうが高速であった。

ファイルコピーでも
性能差が明らかに

 次に、SSDに特化したベンチマークソフト「AS SSD Benchmark 1.7.4739.38088」を利用して、パフォーマンスを計測してみた。

 転送速度の測定では、850 EVOのシーケンシャルリードが495.00MB/s、シーケンシャルライトが483.59MB/sだったのに対し、840 EVOのシーケンシャルリードは495.61MB/s、シーケンシャルライトは477.68MB/sとなった。こちらは、公称スペック通り、ほぼ同じ結果となった。

Samsung SSD 850 EVO

Samsung SSD 840 EVO

AS SSD Benchmark 1.7.4739.38088(転送速度)

 IOPSの計測では、850 EVOの4K-64Thrdのリードが9万7631、ライトが8万3080だったのに対し、840 EVOの4K-64Thrdのリードは9万5622、ライトは8万3342となり、リードはわずかに850 EVが上回っている。

Samsung SSD 850 EVO

Samsung SSD 840 EVO

AS SSD Benchmark 1.7.4739.38088(IOPS)

 また、AS SSD Benchmarkには、巨大な単体ファイルのコピーを想定した「ISO」、小さなファイルを多数コピーすることを想定した「Program」、さまざまな大きさのファイルが混在した場合のコピーを想定した「Game」という、3種類のファイルコピーテストが用意されている。

 850 EVOのファイルコピー時の転送速度は、ISOが376.10MB/s、Programが236.46MB/s、Gameが301.66MB/sであり、コピーにかかった時間はそれぞれ、2.86秒、5.95秒、4.58秒となった。

Samsung SSD 850 EVO

Samsung SSD 840 EVO

AS SSD Benchmark 1.7.4739.38088(ファイルコピー)

 それに対し840 EVOのファイルコピー時の転送速度は、ISOが356.24MB/s、Programが213.27MB/s、Gameが277.18MB/sで、コピーにかかった時間はそれぞれ、3.01秒、6.60秒、4.98秒だった。

 ファイルコピーテストは、すべてのテストにおいて、850 EVOのほうが高速だが、特にProgramとGameでの差が大きい。ProgramやGameは、実際にPCを使う際のワークロードに近く、実使用での快適さはさらに向上したといえる。

 さらに、コンプレッションベンチマークを実行した。これは、圧縮が効かないまったくのランダムデータから同じ値が続く圧縮しやすいデータへと、連続的にデータ構成を変えて転送速度を計測するテストである。

Samsung SSD 850 EVO

Samsung SSD 840 EVO

AS SSD Benchmark 1.7.4739.38088(コンプレッション)

 書き込み時にデータ圧縮を行なうSSDではグラフが右肩上がりの曲線となるが、850 EVOおよび840 EVOは、グラフがほぼ水平になっており、データの構成にかかわらず安定した性能が得られていることがわかる。

→次のページヘ続く (ATTOによる転送速度は公称値を上回る

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