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SIMが簡単に入手可能! ミャンマーの通信環境は劇的に変化

2014年11月28日 11時00分更新

文● 中山智

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 ミャンマーは数年前までは軍政が敷かれていたが、2010年の総選挙を皮切りに民主化が進んだ。以前は鎖国状態だったが、開放政策のスタートにより世界各国の企業から、東南アジア最後のフロンティアとして注目を集めている。

ミャンマーで入手したSIM。MPT(左上)、Ooredoo(右上)、tetenor(下)と3キャリアのSIMを購入

 そんなミャンマーの通信事情はどうなっているのか、筆者が実際に現地に行って調査してみた。ちなみに筆者がミャンマーを訪れるのは2度目。前回は2012年12月で約2年ぶりの訪問となる。その時の様子は週刊アスキーPLUSでレポートしている(関連リンク)ので、読み比べて2年間の変化の具合もチェックしてほしい。

ビザ申請も簡単に

 ミャンマー入国の際にはビザが必要となる。前回時は東京のミャンマー大使館で申請したが、今回は9月からスタートしたオンライン申請システムの「eVISA」(関連リンク)を利用。ウェブサイトから必要事項を入力し、クレジットカードで申請料金の50米ドルを支払うだけでOKだった。

これまで各国のミャンマー大使館に足を運んで申請したらビザが、オンラインで申請可能に

 申請から発行まではおよそ1週間。筆者の場合は4営業日で許可証のPDFが添付されたメールが届いた。ミャンマー入国時にはPDFをプリントした書類をパスポートと一緒に提出する。

 発行までの日数は大使館での申請と大差はないが、わざわざ大使館まで行く手間や収入証明書などの書類も不要で、2年前と比べてかなり手軽になっている。

SIMも簡単に購入できる

 海外ではプリペイドSIMが一般的で、現地のSIMを購入して通信手段にするのが手軽。しかし2年前のミャンマー訪問時はSIMは高価で、通話用SIMを契約するだけでも約2万円もしており、外国人が手軽に買える状況ではなかった。そのため、2年前は空港で100ドルのデポジットと利用料金を支払って、SIMを“レンタル”した。

 こういった状況が、今年の8月からは一変。これまでMPT(ミャンマー郵電公社)の独占だったケータイ市場に、新たに外国資本のOoredoo(カタール資本)とTelenor(ノルウェー資本)の2社がサービスイン。SIMカードの価格も数百円まで下がり、外国人でも自由に買えるようになった。

空港のカウンターでSIMが購入できるので、到着後すぐに利用可能

 今回は空港のカウンターでOoredooのSIMを購入。専用カウンターではなく、ツアーガイドなどの申し込みなども可能だった。ちなみにTelenorのカウンターが制限エリア内のターンテーブル付近に、MPTのカウンターも到着ロビーにあったが、どちらも到着時にはクローズだった。

MPTのカウンター。到着時には閉まっていたが、2年前はここでSIMをレンタルした

空港カウンターのなかには、成田や羽田でおなじみテレコムスクエアのモバイルルーター「Wi-Ho!」のレンタルも。SIMフリー端末がない場合はこちらのレンタルもいいかも

 空港カウンターでのSIM購入時に、SIMのサイズを伝えるとあらかじめカットしたSIMを提供してくれる。SIMの価格は5000チャット(約570円)で、通信や通話には別途チャージが必要。カウンターでの説明では5000チャットで500MBの通信が可能とのこと。ひとまず1GBぶんとして1万チャット。合計1万5000チャット(約1700円)を支払った。

カウンターの店員が慣れた手つきで設定をしてくれた

 開通作業やAPNなどの通信設定は、カウンターの店員がしてくれるので、お任せしたほうが無難。ちなみに他の端末で利用する際に必要なAPNなどの情報は下記のとおり。

APN:ooredoo
ユーザー名:ooredoo
パスワード:ooredoo

Ooredooのパケットパック

 カウンターの店員の話では、5000チャットで500MBとのことだったが、USSDコードでメニューを呼び出すと、パケットパックの申し込み項目を発見。試しに1GBのプランを選んでみると6900チャット(約780円)だったので、それを申し込んだ。

通話アプリから「*133#」で発信すると、メニューが表示されるので1の「Ooredoo Packs」を選ぶ。チャージの残高は「Balance」で調べられる

50MBから10GBまで6つのプランがあった。番号を入力して申し込む

 申し込みに成功するとSMSが届く。SMSには有効期限や、通信可能データ残量のチェック方法などが記載されている。1GB以外の各プランの料金はOoredooの公式サイト(関連リンク)に記載されている。ちなみに、店員さんの5000チャットで500MBというのも決して間違いではなく、従量制の場合は1MBあたり10チャット(約1.2円)だったためだ。

 空港で速度計測をした結果、下りで1.43Mbps、上りで0.62Mbpsといったところ。空港周辺の電波状況がいちばん良かったようで、街中でも計測したがこの数値を超えることはなく、下りで1Mbpsを切るくらいの速度。建物の中に入ると0.2Mbpsなどザラといった感じだ。

空港での結果。速度的にはウェブブラウジングや地図のチェック、SNSへの写真投稿などには困らないレベル

市内のホテル室内での結果。テキストベースの通信はこなせるが、写真などの表示は時間がかかる


(次ページでは、「SIMバブルに沸くヤンゴン市内」)

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