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常時起動するPCが新たな提案を生む

前触れなく登場、マウスの超小型スティックPC「m-Stick」開発者に迫る

文●編集部

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 「面白いことをやるメーカー」。ここ数年のマウスコンピューターの製品を見ていると思わず、そんな言葉が思い浮かんでくる。

m-Stickは、テレビやディスプレーの背面に差すだけで使える、驚くほど小型のパソコンだ。

 11月28日に発表された新製品m-Stickを目にしたとき、そんな想いを新たにした。小型をうたうウィンドウズパソコンは、これまで数多く見てきたが、ここまでの小ささを実現した製品はまず思いつかない。しかも、単に小さいだけでなく、パソコンとしての使い勝手は損なっていないのだから、恐れ入ってしまう。

開発担当の平井部長が手にしているのはUSBメモリーではない。これはウィンドウズパソコンなのだ。

 「とにかく驚いた」。そんな素直な感想からまずは表明しておこう。

スティックサイズのウィンドウズ機がいま手に入る

 今回マウスコンピューターが発表したm-Stickは、その名前が示すとおり、スティック型の筐体にAtomプロセッサーやeMMCなど、パソコンとして必要な機能をすべて詰め込んだ小型パソコンだ。

 手のひらにすっぽりと入るサイズでありながら、Atom Z3735F(1.33GHz)、2GBメモリーなどを搭載した、パソコンそのもののスペック。内容的には先行して販売しているタブレットとほぼ同等であり、メイン基板を6層基板とし、集積度を高め、フットプリントを約半分のサイズに低減したものとなる。

m-Stickの主な仕様
製品名 m-Stick MS-NH1
CPU Atom Z3735F(1.33GHz)
メモリー 2GB
ストレージ 32GB(eMMC)
インターフェース microSDカードスロット、HDMI、USB 2.0
通信 IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0
サイズ 幅100×奥行き38×高さ9.8mm(端子部含まず)
重量 約44g
価格 1万9800円(送料込み)

 そしてそれは将来ではなく、いまここで手に入る製品なのだ(受注開始は12月5日)

 小型化できた秘密は、ディスプレーを持たず、外付けとした点。最近自作界隈でも、にわかに話題を集めつつある、超小型ベアボーンと比較しても圧倒的に小さな本体だ。グーグルが提供している「Chromecast」のように、本体を直接テレビのHDMI端子に差し込んで使用する、いわばパソコンにテレビを接続するのではなく、テレビにパソコンのほうを接続するというスタイル。

タブレット用のメイン基板(下)とほぼ同等性能を半分以下のフットプリントに収めている。

 一方、Chromecastが対応した一部のクラウドサービスを再生できる特化したコンセプトのハードで、その操作をスマホアプリから擬似的に行なえるというものなのに対して、m-Stickは完全なパソコンである。使えるアプリは、ブラウザーもOfficeも動画も静止画もオンラインストレージも、何でもござれという点が特徴となる。

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