シャープは18日、国内営業の取り組みについて説明会を開催した。まず、全体的な取り組みについて、同社執行役員で国内営業本部長の宮永良一氏が説明を行なった。
同社は中期経営計画に沿う形で、2012年度下期に営業利益の黒字化を、2013年度は純利益の黒字化を達成。ここまでを構造改革ステージとしていたが、2014年は再成長ステージと位置づけ、収益体質の強化を図っている。
その中心的存在として、「BtoC」「エネルギーソリューション」「BtoB」の3つの柱となる製品を“バランスよく”開発・販売していくことが重要と語った。
同社は従来、BtoC、特に液晶テレビ「AQUOS」のウェイトが高かったが、それだと市場の景気の影響をもろに受けてしまう。そこで、太陽電池やクラウド蓄電池などのエネルギーソリューションと、デジタル複合機やサイネージシステムなどのBtoB分野に力を注ぎ、収益構造を安定化。この施策により、2015年度は営業利益率5%を目指すとしている。
次いで、BtoC事業の取り組みについて国内営業本部副本部長でシャープエレクトロニクスマーケティング 代表取締役社長の細尾忠弘氏が説明。コンシューマー市場は2つの変化により家電への期待が高まっていると指摘した。
まず、4人に1人が高齢者という高齢化社会がはじまり、健康を意識する人が多くなった。これにより医療費の支出を抑える製品ニーズが生まれている。
また、2014年は働く女性人口が過去最高になり、家事と仕事を両立するため家事労働の軽減が求められている。
さらに、独身世帯が増加しており、ここでも家電による家事の手間の省略が求められる。
一方で、電力やガスの自由化やモバイル通信の自由化(SIMロック解除義務やMVNOの活性化)、4K/8Kといった高精細テレビ放送の開始など、社会インフラも変化。
このような状況を見据え、同社はチャレンジ商品を展開。第一弾として「ヘルシオお茶プレッソ」、第二弾としてコードレスサイクロン掃除機、第三弾として天井の照明ソケットに装着できるLED内蔵人感センサー付きプラズマクラスターイオン発生機を製品化している。
また、デザインにこだわった「アート家電」として、「MiYABi」というブランド名の冷蔵庫を開発するなど、「文化を超える新しい価値観の創造」を目指している。
電力の自由化により需要が見込めるのがエネルギーソリューション事業。シャープエネルギーソリューション 代表取締役社長の真鍋政尚氏は、クラウドサーバーを経由してスマホなどで制御できるクラウド蓄電池を提案していくことが重要と強調。
毎週、イベントなどで「蓄電茶屋」というブースを開設し、ヘルシオお茶プレッソで淹れたお茶を顧客に出しながら、腰を据えて機能を説明しているという。