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上水道施設のちょっとした落差からエネルギーを回収

ダイキン、エアコン技術でマイクロ水力発電に進出

2014年11月17日 15時43分更新

文● 行正和義

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管水路用マイクロ水力発電システムによる発電の流れ

 ダイキン工業は11月12日、富山県南砺(なんと)市で管水路用マイクロ水力発電システムの実証実験を開始したと発表した。

 富山県南砺市森清配水池内の砺波広域水道事業施設の上水道管を流れる水力によって発電する実証実験。実証事業では、落差や流量から最大15.3kW、年間発電量は一般家庭27軒分に相当する98MW時を見込んでいる。システムとしては最大22kW、最大発電量は一般家庭38軒分に相当する年間135MW時の能力を持つ(一般家庭の年間消費電力3600kWhとして計算)。

 ダイキンでは、同社の空調・油圧機器の省エネ商品開発で培ったモーターやインバーターの技術、流体解析技術による効率的なファン設計などを応用、水車と発電機をパッケージ化した小型低コストの縦型管水路用マイクロ水力発電機を開発。発電機とコントローラーを一体化させて水車の上に配置することにより、設置面積は従来の1/2にしたほか、分解することなく部品交換が可能な設計やクラウド経由で管理できるしくみを取り入れている。

 システムの小型化により、水道施設などこれまで発電機を設置できない場所でも発電できるようになるという。再生可能エネルギーの中でもマイクロ水力発電は安定的に発電できる利点があるものの、100kW以下のクラスは発電規模に比べてシステムコストが高いことから普及が進みにくい。今回の実証実験は、こういった状況を技術的に対応するための環境庁の「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」として進められた。

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