この記事は「油なしで揚げ物ができるノンフライヤーの機能をチェック」、「ノンフライヤーでおいしいから揚げはできるのか試してみた」の続きとなる記事です。以前の記事と合わせてご覧ください。
ノンフライヤーでから揚げを製造するたび、脳裏にある問いかけが浮かんできます。それは「から揚げとはなんぞや?」という根本的な疑問なのであります。
前回、ノンフライヤーでから揚げを何度も製造した結果、それは結局のところ“鶏の胸肉に粉をまぶして焼いたもの”ではないかと結論づけました。
では、なぜ我々は、から揚げの際に、鶏肉に粉をまぶすのでしょうか。ただ焼くだけではなぜダメなのでしょうか。
から揚げ粉の効果は水分を保つことと、食感や味付け
から揚げ粉をまぶす目的は、2つあります。ひとつは水分が抜けるのを防止すること、もうひとつは食感や味付けです。
市販のから揚げ粉の主成分は、小麦粉やでんぷん(デキストリンや片栗粉)です。これをまぶした鶏肉を油に入れると、鶏肉の表面から水分が蒸発して揚げ粉を凝固させ、油と鶏肉の間にフェンスを形成するわけです。
これで鶏肉から水分が抜けることもなく、中から水分が染み出して、油がはねたり小爆発を起こしたりすることもなくなる。そして食材はジューシーさが保たれるわけです。
油を使わないノンフライヤーでも、そうしたから揚げ粉の効果は必要なようです。具材自身が脂肪を多く含むものであれば、中から染み出してきます。そうでなければ、ただ熱風に当って乾燥するだけということになります。
ためしに鶏肉の部位でもっとも脂肪の少ないささみをノンフライヤーで焼いたところ、味も素っ気もないパッサパサの何かになってしまいました。しかし、から揚げ粉をまぶして焼いてみると、水分は保持されたまま、表面はいい感じの焼き上がりで、実際に食べてみても柔らかいわけです。
(次ページでは、「から揚げ粉なしで肉を焼いてみる」)
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