山寨機メーカーのクオリティー向上がハンパない!
中国ではニセモノをはじめ、あらゆる詐欺が横行しているので、消費者はリアルショップでもオンラインショップでも慎重に購入している。それでも多くの人がニセモノの小米製品をつかまされたということは、山寨機メーカーの似せるクオリティーが非常に高いことを意味する。
外観もさることながら、パッケージもそのものだし、小米のカスタムROM「MIUI」も入っている。少なくとも一笑された“iPhoneもどき”のレベルではない。
困ったことに中国のニセモノのクオリティーはおかしなレベルであがっている。前述の本物ニセモノ識別アプリ「安兎兎」をも騙すアプリが登場したのだ。つまり、安兎兎のチェック機能で晴れて「本物」認定されるニセモノが存在し、またベンチマークで異常に高スコアを叩きだすニセモノもある。
この手の精巧なニセモノをつかまされた人は結構いるようで、ニセモノに慣れっこな消費者も、ソフトすらだます精巧過ぎるニセ小米製品に驚いている。
「どういう原理なんだ!?わからない!!」「ベンチマークアプリがニセモノだったのではないか!?」と疑心暗鬼だ。
小米は対策として、同社スマートフォンに限定した、より精度の高いオフィシャルの識別アプリをリリース。また今年年初にはニセの小米スマートフォンの通報サイト(http://jubao.order.xiaomi.com/)をオープンした。
中国で5万元以上のニセモノ販売を行なうと、ニセケータイを含め「反不正当競争法」により「假冒注册商標的商品罪(偽商標商品罪)」が適用される。とはいえ、お金欲しさにニセケータイを製造・販売しては捕まる人のニュースは絶えない。いたちごっこが日常の中国では、それが続くだろう。
ニセモノをつかまされないための賢人の知恵
日本人も「世界的に有名になったので」と中国で気軽に小米を買うと、ニセモノをつかまされているかもしれない。
中国人スマホ購入になれたヘビーユーザーは、かく語る。「言わずもがなだが、店員の話にだまされるな」「小米オフィシャルの本物ニセモノ判定サイトを店で利用せよ」「ニセモノはシステムのアップデートができない、そこがポイントだ」「電池もニセモノだ、気を付けろ」。
山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。書籍では「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)、「日本人が知らない中国インターネット市場[2011.11-2012.10] 現地発ITジャーナリストが報告する5億人市場の真実」(インプレスR&D)を執筆。最新著作は「日本人が知らない中国ネットトレンド2014」(インプレスR&D)。
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