業界人の《ことば》から 第117回
Hitachi Innovation Forum 2014 TOKYO:
社会貢献するなら、儲からないといけない──日立CEO
2014年11月11日 09時00分更新
今回のことば
「社会に貢献するのであれば、その仕事は儲からないといけない」(日立製作所の中西宏明執行役会長兼CEO)
社会イノベーション事業とはなにかといまだに聞かれる
日立グループは、10月30日、31日の2日間、東京・有楽町の東京国際フォーラムにおいて、「Hitachi Innovation Forum 2014 TOKYO」を開催した。
Hitachi Innovation Forumは、日立グループ最大の年次イベントで、今年は「人々の未来を拓く社会イノベーション ~情報活用が革新するビジネスと社会~」をテーマに、社会が直面する課題に、日立グループが持つ情報活用によるイノベーションで応える「社会イノベーション」の取り組みを中心に、講演、セミナー、展示を通して幅広く、その内容を紹介するものとなった。
開催初日に行われた日立製作所の中西宏明執行役会長兼CEOによる基調講演も、「人々の未来を拓く社会イノベーション」をテーマとして、同社の社会イノベーション事業に関して言及するものだった。
「日立は社会イノベーション事業で世界の課題解決に応える決意をした。だが、いまだに社会イノベーション事業とはなにかということを、社外だけでなく、社内からも聞かれる。そのとき社内に向けては、社会に貢献するのであれば、その仕事は儲からないといけない、と言っている」と切り出した。
日立は、企業理念に「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」ことを掲げており、創業以来受け継いできたこの理念を、これからの時代において具体的な形で実現していくのが、「日立の社会イノベーション事業」と位置づけている。
日立の社会イノベーション事業は、情報・通信システム、電力システム、社会・産業システムを軸に、同社の多くの事業が関連して実現するものになる。
とくに日立が、社会イノベーションの技術領域としてあげているのが、エネルギー、ITシステム、交通、ヘルスケア、水・資源、自動車、スマートグリッド、昇降機、材料・キーデバイス、建設機器といった10の領域だ。
この連載の記事
-
第586回
ビジネス
マイクロソフト、日本への4400憶円のAI/データセンター投資の実際 -
第585回
ビジネス
日本市場の重要性を改めて認識する米国企業、変革期にある製造業がカギ -
第584回
ビジネス
NTT版の大規模言語モデル(LLM)、tsuzumiの商用化スタート、勝算は? -
第583回
ビジネス
エコ投資に取り組むエプソン、見方によっては10年で1兆円の投資も -
第582回
ビジネス
パナソニックコネクトの現在地点、柱に据えるBlue Yonder、ロボットとは? -
第581回
ビジネス
スタートして半年の日本NCRコマース、軸はAIとプラットフォームの2つ -
第580回
ビジネス
コンカーの第2章は始まるのか、SAPの生成AIを使って効率的な経費精算を -
第579回
ビジネス
AIの筋トレはいまから始めるべし、マイクロソフト津坂社長がCopilotの議論から得たもの -
第578回
ビジネス
大赤字からの再起はかるバルミューダ、その足掛かりは? -
第577回
ビジネス
日本の強さは量子力学におけるトンネル効果があるため、量子と出会い、広げよう -
第576回
ビジネス
リコーの新しい共創拠点RICOH BIL TOKYO、富士通やKDDIともつなぎたい - この連載の一覧へ