試験放送の4K/60p表示にも対応した、AQUOS XL20
現在、日本の4Kテレビの販売比率は、4Kモデルの存在している40インチ以上のなか約5%。まだまだ“市場立ち上げ”の段階だ。
そのため「すでに4K試験放送が始まっているとはいえ、4Kの良さを本格的に実感いただけることは少ない」(シャープ・指出氏)という。
ポイント:現在は「地デジメイン」だが、将来は4Kという層がターゲット。37型FHD機と比較しても、画素が小さく4Kの精細さを堪能できる。
AQUOS XL20はこの4Kから2Kへの移行期に、4K普及に向け、「2015年には4K全体のシェアを含めて20%に引き上げていく」ための戦略的な位置づけのモデルだ。この秋登場したAQUOS XL20と、昨年登場の従来モデルAQUOS XL10の違いは、4K入力が新たに「4K/60p」対応となった点だ。
4K放送は、今年6月にスタートした「Channel 4K」を始めとして秒間60コマの4K/60pで行われている。
シャープは4K放送チューナー「TU-UD1000」を販売中だが、このチューナーでは4K放送を受信した際、その出力は必ず4Kとする仕様になっている(これは他社製の4K放送チューナーも同様だ)。
従来のAQUOS XL10ラインでは、コマ数の少ない、4K/30pの信号入力で4K放送に対応していたが、AQUOS XL20は、4K/60pに対応しているので、4K/60p放送の品質を落とさず、そのままの画質で表示できる。名実ともに4K放送対応となった点が大きなトピックスだろう。
「実は4K/60p対応のためにバックエンドの方のデバイスを作り直しをしていて、内部的には大きなリニューアルを行っています。4K試験放送を動きも含めて入力できるのでストレスのない動きを実現できますし、2Kの入力信号も含めて内部信号処理はすべて4Kになっているので、2Kテレビと比べてもノイズ処理の精度も向上させています」(シャープ・小池氏)
ポイント:AQUOSクアトロン プロで60pを実現するためには、分割駆動用に120pの映像を作り、それを1コマに合成する必要がある。内部処理は複雑だ。