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ビジネスモバイルに最適なデバイス

8万円台の10.1型「LaVie Tab W」は、手軽さと生産性を併せ持つ2in1

2014年11月28日 09時00分更新

文● 高橋量

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 ここからは「LaVie Tab W」の構成パーツと性能について紹介しよう。

 Windows 8.1の快適さを表わす「Windowsシステム評価ツール(WinSAT.exe)」の結果(Windowsエクスペリエンスインデックス)は、以下の表のような結果となった。

 グラフィックのスコアはWindows 8.1の使い勝手に大きく影響しないため、特に気にする必要はない。この結果のキモとなるのはCPUとメモリー、ストレージの性能だが、スコア的には平均よりやや高めでまずまずの結果だ。

試用機の「Windowsシステム評価ツール」の結果

試用機の「Windowsシステム評価ツール」の結果
CpuScore(プロセッサー)6.5
MemoryScore(メモリー)5.5
GraphicsScore(グラフィックス)4.4
GamingScore(ゲーム用グラフィックス)3.9
DiskScore(プライマリハードディスク)6.4

 実際に使ってみて感じたのは、思ったよりも快適に動作するという点だ。タブレットは一般的にPCよりも性能が低く抑えられているため、日常的な作業でも処理に時間がかかることがある。しかし「LaVie Tab W」では特に長く待たされることもなく、普通に利用できた。

 「LaVie Tab W」のCPUは、"Bay Trail-T"ことAtom Z3795(1.6GHz)だ。Atom Z3000シリーズの中では最も高性能なCPUだが、2014年4月の発売から半年以上経過しており目新しさはない。とはいえ、2014年後半リリースが予定されていた「Cherry Trail」のCPUが2015年に延期されたため、現在でもBay Trail-TはAtom系の最上位モデルではある。

タスクマネージャーの「パフォーマンス」によるCPUの稼働状況。バースト時の最大動作周波数は2.39GHzで、4コア/4スレッドで動作する

「CPU-Z」によるAtom Z3795の詳細情報

 Atom Z3795の性能を計測するため「CINEBENCH」を試してみたところ、「CPU」のスコアが「0.99pts」と低めの結果が出た。これはAtom Z3795が計算能力よりも省電力性能を重視しているため。タブレット向けのCPUとしては、まずまずの結果といったところだろう。

「CINEBENCH R11.5」のベンチマーク結果

 メモリーはLPDDR3 4GBを搭載しているが、実際にシステムで利用できる容量は約3GB程度となっている。これはOSが32ビット版であるためで、Windows 8.1の仕様上、仕方がない。2GBでは動作が遅くなってしまうことを考えれば、1GBのあまりが出たとしてもメモリー容量は大きい方がいい。

タスクマネージャーの「パフォーマンス」によるメモリーの使用状況。システムが利用できるメモリーの最大容量が「2.9GB」となっている

 ストレージには、64GBのeMMCを採用している。試用機で使われていたのは、サンディスク製の「SEM64G」。Cドライブには47.12GBが割り当てられ、利用可能な空き容量は28.7GBだった。ストレージの空き容量が少ないため、大容量のmicroSDXCカードを合わせて利用したい。

ストレージのパーティション構成。Cドライブには47.12GB割り当てられている

試用機ではCドライブの空き容量が28.7GBだった

 「CrystalDiskMark」でストレージのアクセス速度を計測したところ、シーケンシャルリードで120.5MB/秒という結果となった。SSDの最新モデルよりはアクセス速度が劣るものの、標準的なHDDよりも格段に速い。レビューするにあたり実際にファイルのコピーや移動を行なったが、ファイル操作でストレスを感じる場面はなかった。

「CrystalDsikMark」によるストレージのアクセス速度計測結果

 グラフィックス機能は、CPU内蔵のインテル HD グラフィックスを利用する。性能としてはかなり控えめであるため、3Dゲームのプレーは厳しいだろう。3D性能を計測する「3DMark」のスコアは軒並み低く、それを裏付ける結果が出ている。

グラフィックス機能は、CPU内蔵のインテルHDグラフィックスを利用

「3DMark」ベンチマーク結果。テスト結果は低めで、DirectX 11の機能を使う「Fire Strike」はエラーで計測できなかった

 3Dゲーム系ベンチマークとして「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.00」と「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」の2種類を試したところ、1280×720ドットの標準画質でいずれも「動作困難」という結果だった。内蔵GPUのパワーが低いことを考えれば、やむを得ない結果だ。

「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.00」の結果

「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」の結果

 総合的な性能を計測するベンチマークとして「PCMark 8バージョン2」でテストしたところ、日常的な作業の性能を計測する「Home conventional 3.0」では「1096」、ビジネス関係の性能を計測する「Work conventinal 2.0」では「1633」という結果だった。

 「PCMark 7」では「2478」という結果で、どちらのスコアもそれほど高いわけではない。だが外出先でのネットやメールの確認、文書作成やアプリの利用などには十分な性能を持っている。

「PCMark 8バージョン2」の「Home conventional 3.0」ベンチマーク結果

「PCMark 8バージョン2」の「Work conventinal 2.0」ベンチマーク結果

「PCMark 7」ベンチマーク結果

 実際のバッテリー駆動時間を計測するために下記の条件でテストしたところ、開始から10時間1分でバッテリー切れとなり、休止状態へ移行した。カタログ上の公称値では約9時間48分の駆動が可能とされているが、それよりもわずかに長い結果が出た。実際の利用では丸1日程度なら十分持つスタミナで、仕事の途中でバッテリーが切れて困ることはなさそうだ。

バッテリー駆動時間テストの条件

  • 電源プランを「省電力」に設定
  • 無線LANとBluetoothをオンに設定
  • ボリュームは50%に設定
  • ディスプレーの明るさを40%に設定
  • ディスプレーの輝度調整機能を無効化
  • テストには「BBench」を使い、10秒ごとのキー入力と60秒ごとのWebアクセスを有効化

「LaVie Tab W」のバッテリーレポート

仕事で使えるタブレットを探しているならコレ!

 「LaVie Tab W」の魅力は、なんといっても生産性の高さだ。快適な入力を実現するデジタイザーやキーボードを使えば、文書作成や調べ物を効率的に行なえる。資料やメールを確認するだけなら、タブレットスタイルで利用すればいい。モバイル性能を重視しつつも、PC並みの生産性を求める人にこそ、「LaVie Tab W」をおすすめしたい。

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