ここからは「LaVie Tab W」の構成パーツと性能について紹介しよう。
Windows 8.1の快適さを表わす「Windowsシステム評価ツール(WinSAT.exe)」の結果(Windowsエクスペリエンスインデックス)は、以下の表のような結果となった。
グラフィックのスコアはWindows 8.1の使い勝手に大きく影響しないため、特に気にする必要はない。この結果のキモとなるのはCPUとメモリー、ストレージの性能だが、スコア的には平均よりやや高めでまずまずの結果だ。
試用機の「Windowsシステム評価ツール」の結果 | |
---|---|
CpuScore(プロセッサー) | 6.5 |
MemoryScore(メモリー) | 5.5 |
GraphicsScore(グラフィックス) | 4.4 |
GamingScore(ゲーム用グラフィックス) | 3.9 |
DiskScore(プライマリハードディスク) | 6.4 |
実際に使ってみて感じたのは、思ったよりも快適に動作するという点だ。タブレットは一般的にPCよりも性能が低く抑えられているため、日常的な作業でも処理に時間がかかることがある。しかし「LaVie Tab W」では特に長く待たされることもなく、普通に利用できた。
「LaVie Tab W」のCPUは、"Bay Trail-T"ことAtom Z3795(1.6GHz)だ。Atom Z3000シリーズの中では最も高性能なCPUだが、2014年4月の発売から半年以上経過しており目新しさはない。とはいえ、2014年後半リリースが予定されていた「Cherry Trail」のCPUが2015年に延期されたため、現在でもBay Trail-TはAtom系の最上位モデルではある。
Atom Z3795の性能を計測するため「CINEBENCH」を試してみたところ、「CPU」のスコアが「0.99pts」と低めの結果が出た。これはAtom Z3795が計算能力よりも省電力性能を重視しているため。タブレット向けのCPUとしては、まずまずの結果といったところだろう。
メモリーはLPDDR3 4GBを搭載しているが、実際にシステムで利用できる容量は約3GB程度となっている。これはOSが32ビット版であるためで、Windows 8.1の仕様上、仕方がない。2GBでは動作が遅くなってしまうことを考えれば、1GBのあまりが出たとしてもメモリー容量は大きい方がいい。
ストレージには、64GBのeMMCを採用している。試用機で使われていたのは、サンディスク製の「SEM64G」。Cドライブには47.12GBが割り当てられ、利用可能な空き容量は28.7GBだった。ストレージの空き容量が少ないため、大容量のmicroSDXCカードを合わせて利用したい。
「CrystalDiskMark」でストレージのアクセス速度を計測したところ、シーケンシャルリードで120.5MB/秒という結果となった。SSDの最新モデルよりはアクセス速度が劣るものの、標準的なHDDよりも格段に速い。レビューするにあたり実際にファイルのコピーや移動を行なったが、ファイル操作でストレスを感じる場面はなかった。
グラフィックス機能は、CPU内蔵のインテル HD グラフィックスを利用する。性能としてはかなり控えめであるため、3Dゲームのプレーは厳しいだろう。3D性能を計測する「3DMark」のスコアは軒並み低く、それを裏付ける結果が出ている。
3Dゲーム系ベンチマークとして「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.00」と「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」の2種類を試したところ、1280×720ドットの標準画質でいずれも「動作困難」という結果だった。内蔵GPUのパワーが低いことを考えれば、やむを得ない結果だ。
総合的な性能を計測するベンチマークとして「PCMark 8バージョン2」でテストしたところ、日常的な作業の性能を計測する「Home conventional 3.0」では「1096」、ビジネス関係の性能を計測する「Work conventinal 2.0」では「1633」という結果だった。
「PCMark 7」では「2478」という結果で、どちらのスコアもそれほど高いわけではない。だが外出先でのネットやメールの確認、文書作成やアプリの利用などには十分な性能を持っている。
実際のバッテリー駆動時間を計測するために下記の条件でテストしたところ、開始から10時間1分でバッテリー切れとなり、休止状態へ移行した。カタログ上の公称値では約9時間48分の駆動が可能とされているが、それよりもわずかに長い結果が出た。実際の利用では丸1日程度なら十分持つスタミナで、仕事の途中でバッテリーが切れて困ることはなさそうだ。
バッテリー駆動時間テストの条件
- 電源プランを「省電力」に設定
- 無線LANとBluetoothをオンに設定
- ボリュームは50%に設定
- ディスプレーの明るさを40%に設定
- ディスプレーの輝度調整機能を無効化
- テストには「BBench」を使い、10秒ごとのキー入力と60秒ごとのWebアクセスを有効化
仕事で使えるタブレットを探しているならコレ!
「LaVie Tab W」の魅力は、なんといっても生産性の高さだ。快適な入力を実現するデジタイザーやキーボードを使えば、文書作成や調べ物を効率的に行なえる。資料やメールを確認するだけなら、タブレットスタイルで利用すればいい。モバイル性能を重視しつつも、PC並みの生産性を求める人にこそ、「LaVie Tab W」をおすすめしたい。