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有識者が「iPad Air 2」/「iPad mini 3」発表についてコメント

「順当な進化で、iPad Air 2の満足度は高い」――鈴木J

2014年10月30日 19時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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著者近影(ロンドンのベーカー街にて)

 日本時間10月17日に発表された「iPad Air 2」/「iPad mini 3」。今回の発表に関して、鈴木J氏からのコメントを紹介する。鈴木J氏は、Touch IDがそなわったほか、カメラ機能も強化されたiPad Air 2に、「順当進化」という印象を受けているという。

順当な進化で、iPad Air 2の満足度は高い

 イベントレポートのほか、実機に触れていろいろ見てみたが、iPad Air 2は「順当進化」という感じで、Retina化して以降に「動作が少し緩慢」「本体が厚くて重い」と感じていたようなユーザーは、文字通り「Air」度が進化した薄型タブレットで、かつアプリ切り替えや各種操作時のレスポンスも向上したiPadを楽しむことができるだろう。もっとも、前モデルのiPad Airからの変更点がそれほど大きくないため、最近iPadを購入したようなユーザーにはそこまで大きなメリットはないかもしれない。だが、旧モデルユーザーや新規ユーザーには製品購入の大きな選択肢の1つとなるはずだ。

iPad Air 2は、旧モデルユーザーや新規ユーザーには製品購入の大きな選択肢の1つとなる……と鈴木J氏は語る

 今回、筆者は外に持ち出してのレビューができなかったが、iPad Air 2を比較的長期間利用した同業者らの声を聞いていると、屋外での液晶ディスプレイの視認性が格段に向上しているというメリットを真っ先に挙げている。技術的にはiPhone 5以降に導入されたインセル方式のディスプレイ技術の延長にあるものと思われるが、薄型軽量化と合わせ、出先に持ち運んで使うデバイスとしての選択肢が増えたという感じかもしれない。

 モバイル用途としては、Touch IDとカメラ機能の強化の2点と相性がいい。もともとタブレットは屋内での利用がほとんどといわれているが、もし薄型軽量化で持ち運びが可能になると「盗難」「紛失」といったトラブルとは無縁ではいられなくなる。Touch IDであれば、利便性を損なわずにデバイスに操作ロックをかけられるので(PINコードを設定していないユーザーも多いと聞く)、デバイス内の大事なデータを保護しやすくなる。

指紋認証の追加(Touch ID)は、iPad Air 2とiPad mini 3に共通する、大きな追加点だ

 日本ではあまりメジャーではないかもしれないが、海外取材を行っていると観光地でもカンファレンスでも「iPadでカメラ撮影」という場面に頻繁に出くわす。最高品質のレンズとセンサーが搭載されたiPhoneに比べ、iPadのカメラ品質は数段落ちるものが搭載されているのが常態化していたが、iPad Air 2ではついにiPhoneと同クラスの背面カメラが搭載され、こうした用途にも十分効果を発揮できるようになった。

 一方でやや微妙なのがiPad mini 3だ。内容的には決して悪くないデバイスなのだが、前モデルとの差異がほぼTouch ID搭載の有無など、買い換えるメリットが少ない。値段的には前モデルの在庫処分や、引き続き併売されているiPad Airなど他モデルのほうが価格的にも魅力的であり、あえて選ぶ理由が少ないこともある。もし財布事情と相談で製品を選ぶ場合は、このあたりに留意して動けばいいだろう。

鈴木J

 アスキー編集部勤務を経て、@IT(現アイティメディア)立ち上げに参画。その後独立してサンフランシスコに在住しながらフリーランスとして米国IT関連の取材活動を続ける。現在では主にNFC、モバイルペイメント、近距離通信に主な取材テーマを絞り、取材拠点を米国中心から広げる形で世界の通信/決済事情を調査している。


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