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「新生」Chromecast、その真価はBackdropにあり

2014年11月01日 16時00分更新

文● Adriana Lee via ReadWrite

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デベロッパーもテレビ画面活用が可能に。

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グーグルが発売する新しいNexus PlayerがChromecastの機能を提供するが、それが35ドルのテレビストリーミング機器に取って替わるというわけではない。Chromecastは失敗作などではなく、むしろ、さらに進化を続けているのだと言える。少なくとも、いくつかの方点において。

ハードウェア面では良い知らせと悪い知らせがある。グーグルはテレビ用スティック型端末 Chromecast の後継機に着手していると認めた。だが、残念なことにその後継機は初代機となんら変わりはない。しかし、その失望を超える良いニュースもある。ハードウェアに変更がない代わりに、ソフトウェアに変更があるかも知れないのだ。今週開催されたGigaOm Structure Connect 2014で、製品開発担当のグーグル副社長マリオ・ケイロスは、デベロッパーたちがBackdropの新機能にアクセス可能になるだろう、と言及した。

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言い換えれば、近いうちにアプリ製作者たちは、従来とは違った新たな方法でユーザーとコミュニケーションをとることが可能になるのだ。つまり、ユーザー宅のスタンバイ状態にある大画面機器を使うということだ。

第二世代Chromecastを差し置いてBackdropが一つ前進

先週、連邦通信委員会に提出された最新の資料の中で、第二世代Chromecastの存在が明らかになった。噂話は広がり、ファンの期待は高まった。すると、火曜日のGigaOmのステージにおいて、グーグルのケイロスはChromecastの後継機に着手していたことを認めたのだった。

詳細を聞けば聞くほど、むしろ失望感に襲われるのはタチの悪い話だ。ケイロスはそれほど詳細を語らなかったが、グーグルの計画に詳しい関係者は、端末更新にはハードウェア周りが含まれていないとReadWriteに話してくれた。「FCCへの提出内容は製造番号の更新に関するものです。新製品に関してではありません。第一世代Chromecast端末と何ら変わりはありません」と情報源は語った。

関連記事:グーグルのChromecastがアートや写真をテレビに転送可能に

しかし、ケイロスは他のことにも言及している。グーグルがサードパーティーのデベロッパー用に新規Backdrop APIを検討しているとも述べたのだった。(ReadWrite.comの API の説明を参照)

今月初旬、同社はスマートスクリーンセーバーの様な新しい機能を持つBackdropを発表した。このアプリはキャスティングしていない時や携帯からテレビにストリーミングを行っていない時に、写真やアート作品、ヘッドラインニュースを表示する。

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ChromecastのBackdrop機能

現在、Backdropのカスタマイズ可能な部分とはGoogle Plusの写真のみである(アート作品・ニュースソースはグーグルによって事前に選択される)。しかし、デベロッパーがサポートすることで、ユーザーの選択の幅は広がるだろう。スポーツの結果や用事、カレンダーの共有、株式情報やTwitterのフィードなど、ストリームの合間にデフォルト設定でテレビ画面に投影されるとどうだろう。

これもほんの始まりに過ぎない。Pinterestの仮想ピンボードが自分の生活空間に現実に存在すると考えてみよう。または両親ほどの年齢の人がアプリを使用すること無く、テレビ画面に孫の写真を見ることができるとしたらどうだ。

Chromecastの開発は、最近目覚ましいペースで進んでいる。Backdropと並行して、去る6月のグーグルI/Oで発表されたのは、超音波によるペアリングであった。これは、Wi-Fiネットワークを介さずにキャスティングに参加可能な便利機能だ。現時点ではまだ試行中ではあるが、少なくともChromecastユーザーに期待を持たせるには十分であろう。

Chromecastはまだ走り出したばかり

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Chromecastは2013年7月に登場してからというものヒットし続けている。すぐさまアマゾンのエレクトロニクス部門トップセラーリストに登場し、一年以上もの間、アマゾン製品をはねのけ、ほぼ常時掲載され続けている。

その魅力はシンプルなコンセプトにある。35ドルの端末、そしてテレビとスマートフォンさえあれば、誰もがChromecastでストリーミングメディアを大画面で楽しむことができる。それも、キャスティング操作ツールであるGoogle Castを使えば簡単だ。

非常に簡単に扱えるためChromecastは凄まじい人気を見せている。ケイロスによると、ユーザーは、Chromecastを使って自分のメディアを総計6億5千万回もテレビに表示しているという。しかも、その1/3以上が直近3ヶ月以内に行われたものであるというのだ。

2月、同社は Google Cast ソフトウェア開発キット(SDK)なるものをリリースした。今では何百ものアプリがChromecastのキャスティングをサポートしていると彼は述べている。最初期に端末向けに提供されたものが4つだったことを考えれば、その数は比べ物にならない。そして今も増え続けている。今では6,000人以上のデベロッパーたちが10,000を超えるアプリの製作に着手していると彼は付け加えた。

そして、「我々はGoogle Cast対応アプリケーションの収益構造やエンドポイントを作り上げています。」と彼は述べた。このエンドポイントというのは、独自のキャスティング機能を提供する新しいNexus Playerの様な端末のことである(FCCから把握できる情報はもうないと思われる)。

Chromecast自体で言えば、ハードウェア・アップデートはないが、開発は停滞していないというわけだ。それどころか、この小さなテレビ用スティック型端末は今後も成長していくであろうと思われる。

画像提供(Chromecast Backdrop画像):Google

Adriana Lee
[原文]


※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら


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