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フリルが初のTVCM開始、CtoC成長企業の新戦略とは?(1)

2014年10月29日 07時30分更新

記事提供:通販通信

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(株)Fablicは30日、フリマアプリ「Fril(フリル)」の「Fril公式ショップ」で、MARKSTYLER(株)の3ブランドのアウトレット商品を扱う常設ショップをオープンする。また、31日には沢尻エリカさんらを起用した初のテレビCMを放送。CtoCからBtoCに舵を取るのか、28日に記者会見で発表した事業戦略から、同社の今後の戦略や安全対策の取り組みなどを紹介する。

個人間取引のトラブル増加

 フリルは女性向けのフリマアプリとして2012年7月からサービスを開始。現在は200万ダウンロードを突破し、月間の物流総額は5億円以上。1日に出品される商品は、数万件に上る。CtoCサービスが増えてくるなか、同社がこだわるのが安全・安心な取り引きだ。

CtoC市場では、個人間取引のトラブルが絶えない。特に服飾関係のトラブルは多く、2013年に(独)国民生活センターに寄せられた個人間取引を含めた通販の相談件数のうち、被服類品類は7割におよぶ。また、国センは個人間取引について「個人間取引は消費者保護を目的とした法規(特定商取引法や消費者契約法など)が適用されないという問題がある。消費者が出品者として売り手になる場合、消費者自身の行為が商標法、著作権法、不正競争防止法、刑法などに抵触する危険性がある」と警告している。

 同社によれば、個人間取引のトラブルは、「注文した商品と届いた商品が違った」「新品と謳っていた商品が実は使用済みだった」「他のサイトで使っている画像が転載されていた」「偽ブランドが出品されていた」などが報告されているという。フリルで特に目立つのが他社サイトで使用された画像の転載。商品を良く見せるために、他のファッションサイトに掲載されている写真を転載するなど、著作権違反が疑われる事例もある。

通報機能でトラブル回避

フリル社内の「カスタマーサポート」センター

クリックすると拡大します。

 フリルには「通報機能」があり、問題がある商品を見たユーザーが通報ボタンを押せば、フリルのカスタマーサポートに通報できる。カスタマーサポートには、1日に1000~2000件の通報が寄せられている。通報に最も多いのが画像の転載で、次は偽ブランドの掲載。同社は自社にカスタマーサポートを置き、35人体制で土日も休まず対応している。

(写真1)

(写真1)サンプルの「熊のぬいぐるみ」

(写真2)

(写真2)カスタマーサポート管理画面

(写真3)

(写真3)出品者への削除通知と違犯行為の説明

 28日の戦略発表会では、カスタマーサポート見学も組み込まれており、通報から問題のある商品の削除まで、一連の流れをメディアに実践した。問題がある商品のサンプルとして熊のぬいぐるみの画像を9万円で出品(写真1)→会員登録済のスマホから通報→通報を受けカスタマーサポート側の管理画面で削除(写真2)→出品者に商品削除と違反行為の説明通知(写真3)といった流れが、スムーズに行われた。カスタマーサポートでは、通報を受けた商品を精査し、1日の通報(1000件~2000件)のうち8割の商品を削除している。

フリマではさらに1万円以上の商品出品者には、身分証の提示を義務付けている。携帯番号だけで登録できる他のCtoCサービスもあるが、同社では住所と本名の確認により、安全な取り引きを担保している。違法な商品の出品者は、警察に出品されることもあるという。

つづく

(山本 剛資)

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