比較的サプライズとなった「iPad mini 3」
比較的サプライズだとみられているのが「iPad mini 3」の発表だ。アップデート内容はiPad mini 2へのTouch ID搭載と非常に小粒ではあるものの、初代iPad miniを含めた既存3製品が継続されたことで、iPadが全5製品のラインナップとなり、選択肢の幅が非常に増えた。
利益率が低く、iPhone 6 Plusとサイズ的にかぶりがちなiPad miniは廃止され、iPad Airへと一本化が進むという予測が一部であったが、実際にはフルラインナップ構成で、今もなお意図的にiPad miniによる低価格ラインナップを残しているあたり、少しでも市場のニーズやパイを確保したいというAppleの意図が感じられる。
5120×2880表示に対応、
「iMac Retina 5Kディスプレイモデル」
ハードウェア製品として、今回のiPad Air 2と並び注目となったのが「iMac Retina 5Kディスプレイモデル」(5K Retina iMac)だ。iMac製品は長らくRetina対応が行われず、ユーザーからもRetina対応を求める筆頭候補のひとつだったとみられるが、今回ついに実現された。
解像度は縦横2倍ピクセルの5120×2880で、いわゆる4Kよりもさらに高い解像度を持っている。画面比率は16:10であり、4K画面を表示してなお縦方向に余裕がある状態だ。Appleは、最も高解像のディスプレイを備えるPCとしており、CTOオプションでGPUやプロセッサー機能を強化可能となるなど、ある程度本格的な映像編集作業にも対応できるようだ。
価格は27型モデルが標準構成時で26万3200円(税別)からと、ディスプレイ性能と比較して特に高い設定でもない。既存の非Retinaモデルもそのまま残してあるため、iPad同様に比較的幅広いニーズに対応できるといえるだろう。
ついに「Mac mini」新モデル発表
また、過去2年間サイレントアップデートさえ行なわれてこなかったMac miniが、ついに新モデル発表となった。外見は前モデルから特に変化ないが、プロセッサーやインターフェースが強化されているなど、前モデルでパワー不足を感じていたユーザーには選択肢のひとつとなるだろう。基本的に拡張性を犠牲にしてコンパクトさや低価格性を重視したデスクトップ製品なので、むしろサブマシンとしての利用にちょうどいいかもしれない。
今回は一部で噂に上っていたMacBook Airの新製品は特に発表されず、この10月時点で発表された製品群で年末商戦に挑むことになるAppleだが、非常にラインナップの幅が広がっており、これがどこまで同社の売上を伸ばすかに注目が集まることになる。前述Apple Watchをはじめ、MacBook新製品など、次のラインナップは2015年前半が登場時期の目安となる。このあたりを踏まえ、ぜひ購入計画を練ってほしい。