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グーグルより自動運転で注目集める「モービルアイ」とは

2014年10月28日 07時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)/大江戸スタートアップ

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 8月に米ニューヨーク証券取引所に上場、時価総額は一時1.2兆円を超えた。

 自動車のドライバーアシスト(自動ブレーキ)技術を開発しているイスラエル発の企業、モービルアイ(本社:オランダ)が投資家たちの注目を集めている。

 単眼カメラのセンサーが自動車の目となり、自動車や障害物に衝突する危険性をコンピューターが分析、必要に応じて自動ブレーキをかける仕組み。

 同社が最近アップロードした動画によれば、将来的には同じ技術をもとに自動運転も実現できるという。同社は導入コストもグーグルより安くできると自信を見せている。

 グーグルの自動運転は通信技術とセンサー技術を組み合わせるが、モービルアイはセンサーのみ。また、カメラセンサーはグーグルが使うレーザーユニットより安い。


世界7~8割シェアのリーダー企業

 モービルアイは同社の技術と半導体を自動車部品メーカー、自動車メーカーに販売する技術企業。

 業界関係者によれば「世界シェアの7~8割、日本国内シェアのおよそ半分」をおさえるドライバーアシスト技術のリーダー企業だ。

 導入先は高級車から大衆車まで幅広い。高級車では電波を使ったミリ波センサーと組み合わせ、より精度を高めた形で使われている。

 関係者によれば、国内のシェアが海外ほど伸びないのはボッシュやコンチネンタルなど名前が知られた大手競合の技術を導入するメーカーが多いため。

 日立製作所と組んで「アイサイト」を開発した富士重工(スバル)など自社開発を考えているメーカーもあり、シェア拡大の壁となっていた。


日本国内では商用車への導入も進む

 なお日本の販売代理店ジャパン・トゥエンティワンでは、バス会社や運送会社向けにモービルアイの車載システムを3万台ほど販売している。

 自動ブレーキシステムを搭載したバスが新車で1台あたり2000~4000万円するのに対し、車載システムは本体価格約15万円と取付費用だけで導入できるため、中小から引き合いがある。

 事故防止に使えるため、国交省の定める先進安全自動車装置(ASV)導入補助金の対象にもなる。

 同社では大手商社やカーリースを通じて医薬品のセールスなど商用車への導入を進めている。本社の上場に伴いどこまで認知が高まるかも普及の鍵を握りそうだ。



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