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CEO来日会見から

日本初上陸のAurisonics、売りのROCKETSは壊れな~い

2014年10月24日 15時50分更新

文● ASCII.jp編集部

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Dale Lott氏みずから、新製品ROCKETSの丈夫さをアピール

 完実電気は10月24日、米国のAurisonics(オーリソニックス)製イヤフォンの国内販売開始に伴い、記者会見を実施した。会見にはAurisonics CEOのDale Lott氏が登壇した。

 今回発表されたのはいずれもインイヤー式のイヤフォン。11月7日の発売で、価格はオープンプライス。「ROCKETS」(予想実売:税別2万7500円前後)、「ASG1PLUS-BLACK」(予想実売:税別4万9800円)、「ASG2.5-RED」(予想実売:税別7万4000円)の3製品に加え、交換ケーブルやイヤーチップ、ハードケースなどのアクセサリーを販売する。

音楽都市Nashvilleで生まれた新進メーカー

 Aurisonicsは、音楽の都市Nashvilleに本社を構える。社名は、ラテン語の耳(音)と、解像度・空間の造語。2011年にLott氏が1名で創業。現在は従業員25名の規模に成長。最近では本社も移転。3倍のサイズの場所に移転したという。

移転前の本社。現在はもっと広い場所に移っているそうだ。

 「Hear it, Live it.」をキャッチフレーズに、生活に不可欠な音楽を、ピュアであるべき姿のサウンドで届けたいとする。製品はカナル型のインイヤーに特化。すべての製品をMade in USAのハンドビルドで生産する。多くのメーカーが、中国など海外生産を取り入れているなか、米国Nashvilleでの自社生産にこだわるのはBuilding it ourselvesという同社の思想。製品の品質を維持し、開発スピードを高めていく上でも利点があるとする。

Aurisonicsを愛用しているミュージシャンたち

 Lott氏は「どの製品にはわれわれの息吹がこめられて」おり、「顧客もわれわれのファミリーだと考えている」と言う。代表的なユーザーとしては、Nashvilleを拠点に活動中のナイト・レンジャーやアイザックスなどが挙げられるそうだ。

音楽制作、そして軍隊での経験が生んだ品質

 Lott氏自身も1980年代はロックバンドで活躍。その後は制作の現場に移り、マスタリングやリマスターのエンジニアとして活躍した。1990年代にはREOスピードワゴンのほか、ペイシー・クラウン、ジョージ・ジョーンズといったアーチストを手がけた。リマスタリングは「CDという冷凍庫にアナログのケーキを保存するような」ものだと同氏は例える。

ミュージシャン時代のLott氏(写真の一番左)

 Lott氏は、培ったノイズリダクションやエレクトロニクス、ソフトウェアの知識を生かし、NASAや米軍(陸軍のヘリ部隊や海軍。彼自身も海兵隊に所属していた時期があるとのこと)、レース(NASCAR)のコミュニケーションシステムを開発。2年前にはビルトインヘッドセットシステムをNFLのボルチモア・レイブンズで左耳が聞こえない選手のために開発。スーパーボウルなどでも使用された。

NASAや米軍、NASCARなどのコミュニケーションシステムで、Lott氏の仕事が発揮されている

 Aurisonicsの差別化ポイントとしてLott氏はいくつかの要素を掲げる。「市場の声を聞く」(Listen to the market)、「自社だけでなく他社の製品も含めた顧客の評価を聞く」(Listen to input from customers about existing products)、「常に設計やデザインを革新する」(Design revisions to an existing product OR design a new product)、「試聴とチューニングを繰り返す」(Listen and tune the new product)、「さまざまな人の意見を聞き改善する」(Listen to comments & make any refinements)、「自社で生産をする」(Manufacture the products)などだ。そしてこの思想を繰り返している。

まずは3製品、ただしカスタム型も後々は展開したい

 Rocketを除いて、すべての製品が3Dプリンターを使ったハンドメイド。塗装も組み立ても手で行っている。

 同社製品には“カスタムフィット”の上位製品と“ユニバーサル”といわれる一般ユーザー向け製品がある。Lott氏は米軍にいた際に2000以上の耳型のCTスキャンデータを取得。さまざまな年代性別国籍の人を研究して、誰もにフィットする形状を考えた。このスキャンデータは現在1万にまで増えているという。

ASG-2.5

 ASG-2.5は、1基のダイナミックドライバー(直径14.2mm)と2つのBA型ドライバーを持つハイブリッドタイプ。ネットワークを用いず、チューニングでバランスを取っている点が特徴。ベイスバルブ(ダクト)によってエアフローを制御し、低音の響きを調節できる。開口量はユーザーが調整できるが、Lott氏自身の好みはほんの少しだけあけている状態だという。開けばより強い低域の量感が楽しめる。

ASG-1PLUS
上位2製品は着脱式のケーブルを採用している。

 ASG-1PLUSは、14.2mmのダイナミックドライバーとBA型ドライバー1基のハイブリッド構成でスムーズでニュートラルなサウンドを目指した製品。オーディオファイルをターゲットにしている。

丈夫で水につけても大丈夫な、ROCKETS

 最後のROCKETSは、同社の一押し商品。直径5.1mmと小さなマイクロダイナミックスピーカーを採用。米軍の調達基準にも見合う堅牢性を重視している。ハウジングはチタン製。防水性能にも優れており、IP65相当に対応。水中で再生しも音が聞けるほどだという。

ROCKETS
写真のような金属製のパッケージに入れて出荷される。

 ヘルメットをつけたり、ランニング中などでも落ちにくい優れたフィット性も売りにしている。ソフトフランジで、耳穴にしっかりと引っ掛ける仕組みを、Lott氏は007の主人公ジェームス・ボンドが、飛行機などにロープを引っ掛けてぶら下がるイメージにたとえた。ケブラー製の上部なケーブルに加え、断線のしにくいコネクター形状、さらにはポケットにくしゃくしゃにして入れても、取り出す際には絡まないなどラフな使用に耐える品質をアピールしている。

水の中に入れても問題ない。コップを記者の耳に当てて、音が出ている点を紹介するLott氏。
チタン製のハウジングによる堅牢性、ソフトフランジによる装着性の高さも売り。

 しかし、もっとも驚くべき特徴は音だとLott氏は話す。

 チタン製ドライバーに加えて、特にこだわったのはイヤーチップだ。形状・材質などを吟味し、独自に開発した。シリコンではなく、サーマル・プラスティック・エラストマー素材を使用。裂けにくく、熱による形状変化なども少ない密閉性の高いものとしている。遮音性はもちろんだが、密着性も高く、かゆくなるといった不快感も感じにくい。

 箱を開けると不ぞろいだったり色が異なるといったこともあるが、使い込むことで耳に合わせた形状になじんでくる。こういった点もハンドメイドならではの特徴だとした。

来年にはワイヤレスタイプがROCKETSと同等構成で登場

 発表会では、サプライズ情報として世界で初公開だという、開発中の新製品も紹介された。Lott氏は「3年前の夢はワイヤレスだった。1万のスキャンデータを集めたもので、新しいものを作れた」と話す。

 その製品が、来年発売予定の「AURIS」(オーラス)のプロトタイプ。この製品を通じて「サウンドが世界を変える」(Auois sound changes the world)とコメントした。

 AURISはBluetoothタイプで、ペアリングで片方をマスター、もういっぽうをスレーブにすることで、左右チャンネルの間のケーブルも省いている。サウンドはLott氏自身も気に入っているという、ROCKETがベース。ケーブルなしでも装着できるようにぴったりと耳に固定できる形状を追求していくほか、ROCKETSと同等の防水性能や堅牢性も取り入れるという。

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