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変革期に入ったニューマイクロソフトの方向性とは

チャレンジ精神と現実路線をアピールしたマイクロソフト樋口社長

2014年10月24日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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10月23日に始まった「The Microsoft Conference 2014」の基調講演に登壇した日本マイクロソフト代表執行役 社長の樋口泰行氏は、サティア・ナデラ新CEO就任以降の大きく変わりつつあるマイクロソフトの変革をアピールした。

ナデラCEOの就任以降、高まるチャレンジャー精神

 The Microsoft Conferenceは、年に1回開催されるマイクロソフトの総合イベント。情シス、ビジネスマン、開発者など幅広い層に向けた80におよぶセッションと38社のスポンサーも協力する展示が大々的に行なわれた。基調講演に登壇した日本マイクロソフト代表執行役 社長の樋口 泰行氏によると、今年の登録者数は8400名を数え、基調講演の会場も立ち見が出る満員御礼となった。

日本マイクロソフト 代表執行役 社長 樋口泰行氏

 基調講演で一貫して樋口氏が訴えたのは、新しいマイクロソフト。「絶賛売り出し中」ということでアピールしたのは、新CEOのサティア・ナデラ氏。ビル・ゲイツ氏、スティーブ・バルマー氏など創業当時のメンバーではない3代目CEOナデラ氏の主導により、マイクロソフトは大きな変革期を迎えたという。樋口氏は、「インドからの移民なので、アジアに対しての理解も深い。前の2人が悪いというのではないが(笑)、人柄も素晴らしい」と紹介した。

クラウドファースト、モバイルファーストを推進する新CEOのサティア・ナデラ氏

 具体的には、「チャレンジャー精神」「お客様第一主義」「学ぶ姿勢・チームワーク」「現実的な戦略「光る会社に」という5つのカルチャー変革を進め、WindowsやOfficeの成功にあぐらをかかず、変化し続ける業界やニーズに機敏に対応できるようにする。樋口氏は、「過去はWindowsばかりで排他的な感じだったが、これだけ使われているiPadにもOfficeを使えるようにした。Azureの上ではOracle、SAP、Salesforceが動くし、昨日はIBMとの提携も発表した。お客様のメリットになるのであれば、自社製品にこだわらない連携を進めていく」と最新の取り組みについて説明した。

マイクロソフトの文化改革

 樋口氏は、必ずしも1番手からスタートしたわけではなかったマイクロソフトのこれまでのチャレンジを振り返る。「GUIも、Word/Excel/PowerPointも、SQL Serverも、Hyper-Vも、SystemCenterも、後から(競合を)追いかけてじわじわキャッチアップしたもの。デバイスとクラウドについても、お客様第一主義を貫きながら、追いついていきたい」(樋口氏)。

 こうしたマイクロソフトの強みは、ビジネスとコンシューマーの両方に製品・サービスを提供している点。樋口氏は「デジタル化の進展で、ライフとワークの境目はなくなっている時代、両方の課題を解決できる会社はほかにはない。生産性向上を実現すべく、オンとオフ、両方で価値を提供できる」と語る。そのため、「サインアップで手間取るような製品は出すなと言われている」(樋口氏)とのことで、ナデラCEOからはとにかく使いやすい、フリクションフリー(摩擦係数ゼロ)の製品を作れという指示が飛んでいるという。

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