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外部専門家の視点でアセスメント、コンサルティングなどのサービスを提供

シュナイダー、DCライフサイクル全体の最適化/効率化支援

2014年10月23日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 シュナイダーエレクトリックは10月22日、データセンター(DC)や企業内サーバールームのライフサイクルを総合的にサポートするサービス「データセンターライフサイクルサービス(DCLS)」の提供を国内で開始した。4つのメニューのうち、まずはアセスメント、コンサルティングからスタートする。

シュナイダーが提供を開始した「データセンターライフサイクルサービス(DCLS)」の全体像。まずは「コンサルティング」「アセスメント」の2サービスからスタートする

 一般的に、DC内に設置されるIT機器(サーバーなど)のライフサイクルは4~5年程度だが、DCそのもののライフサイクルは10年、20年単位の長期にわたる。そのため、DCを長年運用していくうちにIT側のニーズが大きく変化し、DCの設計時に想定されていた利用スタイルとの食い違いが発生、たとえば供給電力容量や床耐荷重、空調能力などが不足したり、逆に場当たり的な追加投資による無駄が生じたりする。

 そこで今回のDCLSでは、中長期的なDCライフサイクルの視点に立ち、外部専門家の視点から、運営コスト削減や設備投資の適正化を考えた効率的なDC運営実現をサポートすることを目的としている。新設DC、既設DCの両方がサービスのターゲットだ。

 シュナイダー データセンターライフサイクルサービスの唐木眞氏は、日本国内では2000年前後に多くのDCが建設/構築されたため、2018年頃には築20年を超えるDCの割合が床面積比で過半になるとする調査結果を紹介。こうした“経年データセンター”の建物や設備、人的リソースを、現在そして将来のITに最適化したものに進化させていく必要があると指摘する。

シュナイダーエレクトリック データセンターライフサイクルサービスの唐木眞氏

 また、DCのライフサイクルでは建設、構築、運用とフェーズごとに担当部門/担当者が入れ替わり、長期にわたって「ライフサイクル全体」を見渡す立場の者がいないことも問題だという。そこで外部専門家の立場でシュナイダーがサポートし、現場部門との協調の下「30~50年というDCライフサイクル全体の計画をきっちり立てて」(唐木氏)最適化するのが狙いだ。

 今回提供を開始した2サービスのうち、コンサルティングサービスは、DCライフサイクルの「計画」「設計」フェーズを中心にシュナイダーがサポートするもの。幅広い業種の顧客へのサービス経験とノウハウに基づき、技術的な視点からだけでなく、「コスト削減」などビジネス視点からのアドバイスも行う。

コンサルティング内容の例。新設、既存を問わず、外部専門家として幅広い視点から最適化と改善策を検討する

 一方、アセスメントサービスは「DCの“健康診断”を行い、課題や潜在するリスクを洗い出すサービス」(唐木氏)。DCの現状を消費電力やエネルギー効率、空調、ラック利用の効率性といった側面からビジュアルなレポートを作成し、改善策の提案につなげる。

 シュナイダーではすでに欧米市場でDCLSを提供開始しており、「アセスメントは幅広い業種の顧客に対し、年間150件くらいを実施している」(唐木氏)。日本国内でも金融機関、研究機関などで数件のトライアルを実施済みだという。

 アセスメントサービスの提供価格の目安として、唐木氏は「ドキュメント類(フロア設計図など)を完備した、20ラックくらいの小規模サーバールームで50万円程度から」と説明した。この場合、1カ月程度でレポートが提供できるという。

 唐木氏は、DCLSの顧客ターゲットとしてDC事業者から一般企業のIT部門(サーバールーム管理者)までを挙げた。数としては圧倒的に多い一般企業のサーバールームだが、DCライフサイクルの最適化に対する意識はまだ薄く、「その必要性を啓発しながら、サービスの訴求を行っていきたい」と述べている。

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