このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第44回

米国で在庫がまったくないiPhone 6 Plusの購入方法を模索

2014年10月22日 11時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

サンフランシスコから北へ1時間半、カリフォルニア州・サンタローザにあるチャールズ・M・シュルツ・ミュージアム。スヌーピーの生みの親であるシュルツ氏が描いた原画やセル画、ゆかりの品などが展示してある。なぜこの街が関係あるのかというと……

 今回は出張の関係で、iPhone 6/iPhone 6 Plus発売を日本で迎えることになりました。日本でも回線を持っているため、それ用のiPhoneは確保できていましたが、普段暮らしている米国向けのiPhone 6 Plusは、帰国する10月中旬までは購入できませんでした。留守中にアメリカの自宅に届いても困りますし。

 ところが、ご存じの通り、iPhone 6/iPhone 6 Plus発売直後は世界的な品薄状態が続きます。しかも今回、特に米国では待望の大画面化でさらに人気爆発。10月20日の段階でも、1ヵ月待ちが当たり前という状況です。携帯電話ショップに行っても、Apple Storeに行っても、それぞれのオンラインショップを見ても、等しく1ヵ月。「そう顧客に対応しろ」というお達しが出ているかのようです。

既存の販売国でもモノがないのに……販売国追加

 AppleはiPad Air 2にiPad mini 3、iMac Retina 5Kディスプレイモデルなどを登場させた10月16日のイベントで、iPhone 6とiPhone 6 Plusを、これまでで最も速いペースで販売国を拡大することに触れました。特に爆発的な需要を見込んでいるのが中国で、10月17日発売。その後10月31日までかけて世界36の国や地域で追加発売となります。

 日本のApple Storeでの行列も、SIMフリーモデルを買い求め、転売しようとするアジア系の人々が列をより長くしていました。発売からの3日間で1000万台を売り上げたことを発表し、過去最高の滑り出しであることをアピールしましたが、中国では予約がさらにこれを上回るとの情報もあり、注目です。

Apple Store表参道のiPhone行列

 しかし、日本や米国などのすでに発売している国でも品薄なのに、さらに需要旺盛な中国などで発売してしまうと、まだ手に入れていない筆者を含む“待っている人”にとっては、気が気ではありません。

 AppleのウェブサイトのiPhoneのLTE対応に関するページ(http://www.apple.com/iphone/LTE/)を見ると、自分の国向けのモデルがどの国のモデルと共通なのかを知ることができます。これによると、米国・カナダ・プエルトリコ向け、米国以外の国や地域向け(ただしSprintなど米国の一部キャリアも含んでいる)、そして中国・China Mobile向けに分かれています。

 米国向けとそれ以外の大きな違いは、TD-LTEをサポートするか否かです。つまり米国で売られているiPhoneを日本に持ってきても、WiMAX 2+やAXGPを利用できないということです。裏を返せば、米国版と中国などのその他地域向けの端末は別のモデルということになります。

 このあたり、需要と製造、流通などを考えて最適化しているように見えますが、China Mobile向けに1モデル用意するあたり、1キャリアで米国以上のインパクトが期待できそうにも見えます。とはいえ、とにかく米国には在庫がないのです。

手に入れる方法は本当にないのか?
Apple Storeに電話をしてみた

 本当に1ヵ月待たなければならないのか、他に方法はないのか。一応、Apple Storeに電話をしてみました。

 筆者「どこかにiPhone 6 Plus 64GB スペースグレーのVerizon版はない?」

 オペレーター「調べますね。あなたの地域の郵便番号は?」

と聞かれました。答えると検索してくれて、ほどなくすると、

 オペレーター「In-Store Pickupしか対応できないけど、Santa Rosaにある」

との答えが返ってきました。

 サンタローザ……。何かのコードネームとして使われていた記憶があったので調べてみると、2007年ごろのIntelのCentrino Duoプラットフォームでしたね。Centrinoというと、つい鳥のCMを思い浮かべるのですが……。サンフランシスコから北に1時間半ほど、ワインどころのソノマ郡にある街、サンタローザは鳥というよりは、有名な犬が目印です。

 そして冒頭の写真が、サンタローザにあるチャールズ・M・シュルツ氏のミュージアムです。シュルツ氏はスヌーピーの生みの親で、たくさんの原画やフィルム、制作に関わるゆかりの品が展示されていました。さすがにiPhone 1台のためにスヌーピーに再び会いに行くのもどうかと躊躇していたところ、電話口からこんな声が。

 オペレーター「ごめんなさい、その在庫、今なくなったわ」

 今……。そんなリアルタイムにわかるものなんですね。もし決めていても、おそらく筆者がその在庫を押さえることはできなかったでしょう。しかしここで、キーワードが浮かび上がります。「In-store Pickup」です。

 これは正式には「Personal Pickup」と呼ばれているサービスで、Apple Storeのオンラインで購入する際、近くのApple Storeの店頭での受け取りを指定することができるサービスで、あらかじめオンラインのApple Storeで購入し、配送ではなく店舗をしていた店頭受取を選びます。日本の宅配サービスのコンビニ受取みたいな感覚ですね。

Apple StoreアプリでのiPhone購入画面。「Available for Pickup」の欄で、周辺店舗でのピックアップの可否を検索することができる

普段だと、ご覧の通りにピックアップ不可が並んでいる。もしここにピックアップ可能が表示されたら、オンラインで購入すれば1ヵ月後の配送を待たずに手に入る

 正しい理解かどうか分かりませんが、もし店頭に在庫がある場合、それをオンライン購入の店頭受け取り用に確保できる、ということ。例えば近所のApple Storeに毎日通わなくても、オンラインで購入しようと試みて、もし店頭受け取りが「可能」と出ていれば、そこに在庫がある、ということです。

 もちろんオンラインで買って押さえておく必要はありますが、このピックアップの可否は、iPhoneやiPadのApple Storeアプリでも確認することができます。


(次ページでは、「一瞬、在庫が表示されるものの……」)

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン