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事例もテクノロジーも満載!NTT Com Forum 2014 第9回

BPO産業の伸びはピカイチ!課題の自然災害は?

ASEANトップの経済成長率を誇るフィリピンに死角なし?

2014年10月20日 09時00分更新

文● 谷崎朋子

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フィリピンの経済発展を促進するBPO産業

 フィリピンの著しい経済成長を支える産業の1つは、BPOだ。BPO産業における2013年の直接雇用人数は約200万人で、GDPは1.5兆円だった。2016年には約230万人、GDPは2.5兆円に上ると見込まれており、「英語が公用語であること、人件費が安いこと、そして通信インフラが安定していることから海外企業が進出しやすくなっている」とラゾン氏は言う。

 そして欧米系の進出企業を見ると、トップは保険・金融関係で、以降は、工場・流通、ヘルスケア、ICTと続く。

欧米系の企業進出も続く

 一方の日系企業は、BPO事業者ではガリバー・オフショア・アウトソーシングやトランス・コスモスが、エンジニアリングでは日揮や大成建設などが名を連ねる。当初はCADオペレーションやソフトウェア開発などが多かったが、最近はBPO事業者や製造業のバックオフィス関連の進出が増えているとラゾン氏は言う。

 「フィリピンでは、BPO企業への就職は飲食業と並ぶほど人気だ。大学卒業後、コールセンターのオペレーター業務になることは一種のステータスにもなっている」。

日系企業の進出状況

災害を前提としたインフラ整備も

 良いことだらけに聞こえる一方で、リスクはもちろん存在する。その最たる部分は、台風や水害、地震、火山などの自然災害だ。フィリピンの雨季(6~11月)は台風シーズンで、水没被害に見舞われることがある。また、ルソン島にあるピナトゥボ山やマヨン山は活火山で、最近では9月にマヨン山で噴火の可能性があるとして、半径6㎞以内の住民に避難勧告が出た。

 DGSI Groupでは、こうした自然災害に備え、スーピック、マニラ、セブの3か所にデータセンターを分散し、1Gbpsで相互接続してBCP対策をとれるよう体制を整えている。停電時の電力供給システムはもちろんのこと、災害時のオペレーションなど、事業継続性の担保も万全だ。

3か所に分散されたデータセンターで災害時の運用も継続可能

 DTSI Groupでは、オルティガス財閥と共同でシェアードサービス用オフィスの「シルバーシティ」を開発しており、2ヵ所目と3か所目が近日オープン予定だ。新しいシルバーシティは幹線道路に隣接し、ショッピングモールや居住区とも近く、利便性が高い。また、1フロアあたり2200平方メートルと広く、発電装置や複数キャリア収容など、最適なビジネス環境が整備される。

シェアードサービス用オフィス「シルバーシティ」

 ここまでの話で進出に興味を持ったが、やはり勝手の違う海外でのオフィス設立は不安が多い。だが、事前調査から視察、物件案内、登記申請、内装やシステム導入、保守運用まで、DTSI Groupが全フェーズをバックアップしてくれるので、悩む必要はない。ラゾン氏は「新規進出や既存オフィスのBPO拠点化などでフィリピンを候補にしていただければ幸いだ」と講演を締める。

フィリピン進出を全面サポート

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