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「物流に注力すれば必ず伸びる」…イー・ロジット角井氏インタビュー①

2014年10月17日 05時48分更新

記事提供:通販通信

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(株)イー・ロジットは、国内初の通販専門の物流企業で、通販企業からの受託は200社に達し、通販物流代行では国内トップの顧客数と、中小通販向けの国内ナンバーワンの実績を誇る。売り上げ伸長率は毎年およそ2割で、10月には「埼玉フルフィルメントセンター」を稼働するなど、事業拡大を続けている。物流に関する著書も多数あるイー・ロジットの角井亮一社長に、同社の取り組みや今後の通販業界の展望について聞いた。

物流代行でコストダウン・物流サービスを向上

――会社設立の経緯をお聞かせください。

角井 当社の設立は2000年2月、きっかけは商品価値200億円の商品を販売するあるネット通販企業からの物流代行を受託したことでした。当時、私は実家で物流事業を行っていましたが、対応できる体制ではなかったため、通販物流に特化した物流企業を立ち上げました。
立ち上げの際、ネットバブルに沸いていた米国の最先端と言われる物流企業を視察し、米国のビジネスモデルを日本でも展開できると見込んで事業を開始しました。

まずは宅配をベースにスタートしました。その後、破竹の勢いで伸びていたモバイル通販の会社に物流で問題が出て、弊社が全面受託。その際にもともとあった倉庫管理システムをバージョンアップし、それが現在の礎になっています。

また、会社設立の前には、コンサルティングを含めた物流代行によって、上場企業の物流コストを2億円削減した事例もあり、元々コンサルティングが主体でした。
現在もコンサルティングとネット通販の物流代行がお互いスパイラルのようにレベルを高めあっています。

――通販企業にとって、物流代行委託するには、どのようなメリットがあるのでしょうか?

角井 まず、売り上げを伸ばすには、物流を磨くことが近道となります。花王やアスクル、アマゾンなどの企業はその典型で、物流に注力していないと、今の状態にはなっていないでしょう。そう考えると、物流に注力している会社は、伸びる会社が多いのです。逆に物流を軽視して伸びている企業は聞いたことがありません。

物流代行のメリットは、大きく分けてコストダウンと物流サービスの向上にあります。ほしい商品をほしい時に届ける、間違いなく届ける、美しい梱包で購入者に感激を届ける、これらを確実に行うことができます。自社での対応ではこの両立は難しく、物流業務に手を取られて、商品開発や広告戦略など、売上を向上させるための本来の業務がおろそかになりかねません。
物流に注力すれば、利益率も高くなり、業務が効率化され、商品開発など本来の業務に集中でき、好循環が生まれてきます。

(つづく)

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(株)キタムラ 執行役員 EC事業部長 逸見 光次郎氏

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■角井亮一(かくい りょういち)氏
(株)イー・ロジット 代表取締役 兼 チーフコンサルタント
上智大学経済学部経済学科を3年で単位取得終了し、渡米。ゴールデンゲート大学MBAをマーケティング専攻にて取得。帰国後、船井総合研究所に入社。不動産会社を経て、実家の光輝物流に入社し、日本初のゲインシェアリング(成功報酬型アウトソーシング)を実現。
2000年2月、(株)イー・ロジットを設立し、代表取締役に就任。
著書に「物流がわかる」(日本経済新聞出版社)、「小売・流通業が知らなきゃいけない物流の知識」(商業界)、「図解 よくわかる物流のすべて」(日本実業出版社)、「通勤大学実践MBA戦略物流」(総合法令出版)などがある。

<主な著書>
「図解 基本からよくわかる物流のしくみ」
「日経文庫 物流がわかる」
「Strategic Logistics in Japan」

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後編へ⇒「物流に注力すれば必ず伸びる」…イー・ロジット角井氏インタビュー②

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