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なぜスタートアップ転職者の9割は起業を考えないのか

2014年10月17日 16時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)/大江戸スタートアップ

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 スタートアップ求人プラットホーム「アンビシャス」(Ambitious)ベータ版を運用するワイルドカードによれば、創業5年以内の企業に転職した従業員145人に「将来的にどうなりたいか」と尋ねたところ、「決まっていない」と答えたのが37%と最も多く、「起業・独立を考えている」は12%という結果になった。

 回答者の約半数の56%は中小企業出身で、年齢層は20~40代。スタートアップを選んだ理由については「会社のビジョンに将来性と革新性を感じた」「新しいことに挑戦できるから」といった項目が並ぶ。「独立を目指しており、学べる環境であると感じたため」という声もあるが、全体からするとほんの一部だ。

 ワイルドカードは調査結果を受け、転職者は独立よりも「自身の成長のため、やりがいや裁量のある環境で専門性を身につけて、スキルアップを目指している」傾向があるのではないかとする。

 なおアンケートによれば、転職者の1人は「学生時代に起業しようと考えたこともありましたが、その後社会人を経験し、自らが先頭に立つよりも組織を支えていく方が会社にも組織にも貢献できるのではないか、と感じています。将来的に何をしたいのかも明確ではなく、今は自分としてやりたいと思っている組織づくりに携わっているので、まずは目の前の業務に対して一生懸命取り組んでいます」と述べている。

 転職組が独立に慎重な一方、定年組は独立する気まんまんだ。日本政策金融公庫の東京創業支援センターが発表した「シニア起業家調査」によれば、50歳以上の8割が「2~3年後に起業を予定している」という。「団塊スタートアップ」に負けず、若きスタートアップにもご登場願いたい。


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