データと印刷の色が違う→ガビーン!
新刊の特設サイトを作って、プロモーションを始めたせいか、おかげさまで、トークショーが完売に。あとは、ラジオとか、テレビとか、インタビューとか頑張ります。今回は、「データと印刷の色が違う→ガビーン!」って話と、誤字脱字をなくすのが難しいって話です。プロの編集者でも、出版後にガビーンってなることもめずらしいことではありません。
RGB?それともCMYK?
書籍やチラシなど、紙への印刷はCMYK(シアン、マゼンダ、イエロー、ブラック)のインクが使われますが、デジカメで撮影した画像データやデザイナーがPCの画面上で見ているのはRGB(レッド、グリーン、ブルー)で行なわれています。これ、印刷、出版関係者には、もはや常識なのですが、これがけっこう関係者を悩ませています。
というのは、CMYのインクを均等に混ぜると理論上は黒になりますが、RGBは混ぜると白になります。マジックみたいな話です(笑)。家庭でプリントするときも、PCの画面で見るとカラフルな写真がプリントしたら暗くなった…、なんて経験があるはずです。
CMYKは色域が狭い
最近の家庭用のプリンターは、PCで見る画像に出来るだけ近く見えるように、鮮やかになる色補正などがされていますが、商業印刷だとそうはいきません。印刷してみたら「ガビーン!」なんて話は、いろんなところにゴロゴロあります。その理由は、CMYKは色域(色の幅)がRGBよりも狭いことにあります。3色(プラス黒)を混ぜて、自然界のすべての色をインクで表現しようとするのは、やっぱり完璧じゃないんですよね。
さらに、CMYK出力がシミュレート出来るプリンターは高い上に、インクの代わりにトナー(粉)が使われています。大きな印刷所などで使われる高価なレーザープリンターでは、トナーの量を調整して精度を上げ、実際のインクを使ったオフセット印刷の結果に近いものもあります(ただし、そのプリンターが自分の本の色校正に使われるのかは別の話)。
設備を持っていない著者が、商業印刷物で理想に近い色にするのは、1)色校正を何度もする。2)カラーマネジメントを熟知したプロの編集者に頼む。3)印刷所のプリンターや印刷機のオペレーターを綿密な打ち合せをする。などがありますが、いずれにしても、お金と時間が…。もし、写真やイラスト→PCの画面→印刷のカラーマネジメントについて、さらに詳しく知りたい方は、「CMYK RGB カラーマネジメント」などのキーワードでググってみてください。
この連載の記事
-
第70回
ビジネス
画像使用でトラブル?!クリエイティブ・コモンズ活用術 -
第69回
ビジネス
プロの道具がスゴイ! -
第68回
ビジネス
CASIO「MGC-10」、開発秘話 -
第67回
ビジネス
ドローン少年事件で考えるマネタイズの寿命 -
第66回
ビジネス
スター・ウォーズ コンテンツの成功の7つのポイント -
第65回
ビジネス
アクセスの伸びる写真 ドミナントカラーって何? -
第64回
ビジネス
大塚家具の騒動のネットの反応、会員制の是非 -
第63回
ビジネス
水、火、木、空という、古く新しいコンテンツ echo camp series 2015レポート -
第62回
ビジネス
Apple Watchの未来について妄想してみた -
第61回
ビジネス
今どきのサイバーセキュリティ事情 -
第60回
ビジネス
自動車に参入?Apple周辺のウワサをまとめてみた - この連載の一覧へ