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T教授の「戦略的衝動買い」 第304回

ジュラルミンを精巧加工した金魚型USBメモリーを衝動買い!

2014年10月15日 13時15分更新

文● T教授、撮影● T教授

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金属精密加工が本業であるFACTRONのデザインコンシャス系USBメモリー

金属精密加工が本業であるFACTRONのデザインコンシャス系USBメモリー。色はシルバーのほかにタンジェリン(オレンジ系)レッド、ゴールド、ブルー、ブラックの6色が用意されている

 USBメモリーはUSB系のテクノロジー商品としては、キーボード、マウスに続く歴史ある息の長いプロダクトだ。

 昔、日本初のUSBメモリーの企画とそのマーケティング活動にチョビっとだけ関わらせてもらった筆者は、USBメモリーに関しては今だに特別の思い入れがある。

 そんなUSBメモリーだが、育ての親機であるPCの伸びが一時ほどではなく、代わりに登場してきた主役であるスマホやタブレットが驚異的な伸びを示している時代に遭遇して、どことなく変化の兆しが現われてきているようだ。

USBメモリーにしては豪華な紙箱に入ってデリバリーされてくる

USBメモリーにしては豪華な紙箱に入ってデリバリーされてくる

基本的に受注生産で、発注後10日くらいで待ちに待ったUSB-KINGYOが届く

基本的に受注生産で、発注後10日くらいで待ちに待ったUSB-KINGYOが届く

USB-KINGYOっていうネーミングがピッタリ過ぎる、USB的な直接デザインは意見が別れるかも……

USB-KINGYOっていうネーミングがピッタリ過ぎる、USB的な直接デザインは意見が別れるかも……

 偏執狂的なUSBメモリーに対する思い入れから、何か新しいUSBメモリーが発売されると、ほとんどは速攻で購入し、コレクションは膨れるばかり。そんな筆者が先日衝動買いした最新のUSBメモリーは、金属加工の匠の技を活かしてiPhoneケースなどを手がけているファクタスデザインの「FACTRON」ブランド製品「USB-KINGYO」だ。

USBメモリーの多種多様なジャンルを振り返る

自然にさまざまなUSBメモリーが集まってしまった。これでもコレクションの半分くらい……。すでに断舎利したものも含めると、この3倍くらいはあったかも

自然にさまざまなUSBメモリーが集まってしまった。これでもコレクションの半分くらい……。すでに断舎利したものも含めると、この3倍くらいはあったかも

 USBメモリーのようにわかりやすい単機能の商品は、テクノロジーの進化とともに、より安価に、より高密度になっていき、価格競争が激化し、多くの脱落組を出しながら、予想外の新しいチャレンジを行なって生き残る企業と、その戦いに敗れて力尽き脱落する企業の明暗が確実に別れる業界だ。

誰が見てもUSBメモリーだとわかるオーソドックススタイルの製品

誰が見てもUSBメモリーだとわかるオーソドックススタイルの製品

 極めて手前味噌だが、筆者の引き出しの中のUSBメモリーのコレクションは秋葉原やウェブ上のUSBメモリー業界全体の縮図だと思っている。多少転送レートの優劣はあっても、一見して誰もが理解できる同じ機能を提供するUSBメモリーだが、その外観や消費者に訴求するセールスポイントはいくつかのセグメントに分類できる。

 今回は、外観や機能での分類分けを少しだけ見てみよう。オーソドックスなスタイルのUSBメモリーを除いて、まず最初のグループはモビリティーの向上を一番に据えた“カード型USBメモリー”だ。

一時はノベルティの華だったカード型USBメモリーだが、今やもらってもそれほどうれしくはない

一時はノベルティの華だったカード型USBメモリーだが、今やもらってもそれほどうれしくはない

 基準サイズはクレジットカードなので、表面積が広く、広告やメッセージなどの対応も容易だ。そのためノベルティーとしての採用も多かったが、昨今はUSBメモリーをもらっても喜ぶ人が少なくなったので、いつの間にか縮小したセグメントだ。

デザイナーが参加して作られたUSBメモリー。伝統的なデザインを再利用したものや、USBメモリーのためにデザインしたものなどがある。売価を考えるとデザインコストを吸収するには厳しいビジネスアイテムだ

デザイナーが参加して作られたUSBメモリー。伝統的なデザインを再利用したものや、USBメモリーのためにデザインしたものなどがある。売価を考えるとデザインコストを吸収するには厳しいビジネスアイテムだ

 続いてよく見かけるのは、“デザイン・コンシャス系USBメモリー”だ。中には由緒正しいデザイナーの作品を再利用したモノもあるが、その多くは発売するUSBメモリーのために特別にデザインしたものが多い。

 デザインコストの観点から、この市場セグメントも昨今は急速に縮小してきている。

おちゃらけタイプ、ジョークタイプのUSBメモリー。昨今需要のあるのはこのセグメントだ

おちゃらけタイプ、ジョークタイプのUSBメモリー。昨今需要のあるのはこのセグメントだ

 次のグループは、昨今、最も増えてきている“ジョーク系USBメモリー”だ。デザインコンシャス系と明確な分類が難しい商品も多いが、超安い商品から高いライセンス料を支払うためにメモリーサイズに比較して極めて高い商品まで、価格帯は幅広い。またパチモノの多いのもこのセグメントの特徴だ。

需要がありそうで、実はそれほどないと思う機密保持機能付きのUSBメモリー。パスコードの設定や入力の問題から、カードタイプやスティックタイプが多い

需要がありそうで、実はそれほどないと思う機密保持機能付きのUSBメモリー。パスコードの設定や入力の問題から、カードタイプやスティックタイプが多い

 そして次は“機密保持機能付きUSBメモリー”だ。外観的特徴にも機能の一端が現われているが、筆者のコレクションしているものはいずれもUSBメモリー表面にテンキーが搭載されている。まず、あらかじめ決めた任意のパスコードを入力しないとUSBメモリーとして機能しないという、落としてもチョットだけ安心な商品だ。

テクノロジーの進歩でどんなジャンルにも必ず登場する超小型タイプ

テクノロジーの進歩でどんなジャンルにも必ず登場する超小型タイプ

 そして最後は、モビリティーを究極まで高めてキーホルダーやカバンや財布のネームタグ代わりに付けて持ち歩ける“サムネイル(親指の爪)サイズUSBメモリー”だ。

 フラッシュメモリーテクノロジーの進化はこのサイズを見れば一目瞭然だが、度を超えた小さな商品は便利さを通り越して紛失の危険性や不安感を募る可能性があるので、程度問題だ。

 さて、そんな多種多様のUSBメモリーがあふれる世界に、またしても現われた「USB-KINGYO」っていったいどんなモノだろう。

(次ページに続く、「USB-KINGYOの使い勝手を検証!」)

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