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事例もテクノロジーも満載!NTT Com Forum 2014 ― 第7回

クラウド活用のヒントと実践のアイデアが満載!

95年スタイルから抜け出せ!コクヨの考える働き方とオフィス

2014年10月14日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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NTT Communications Forum 2014の2日目となる10月12日、コクヨファニチャーの鈴木 賢一氏は、ICTを活用したこれからの働き方について講演した。自社におけるさまざまな実用例を踏まえたセッションは、クラウド活用のヒントになる気づきの多い内容だった。

ワークスタイルの変革は進んでいるか?

 コクヨファニチャーは、オフィス向け什器・備品を製造・販売するメーカー。最近では単にイスや机などを作っているだけでは市場競争に勝てないため、働き方の提案、オフィスの設計、運用の仕組みまでを提供している。コンサルティングディレクターという役職の鈴木賢一氏は、「働き方を変えたいというお客様の相談に載っている。また、ワークスタイルラボという機関があるので、海外での事例や働き方、それを支える仕組みを研究している」と語る。

コクヨファニチャー スペースソリューション本部 コンサルティングディレクター 鈴木賢一氏

 鈴木氏は、年間50近くの会社を訪問し、ビジネスの課題や働き方についてヒアリングしている。その中でよく出てくる意見が「競合との差が出せず、価格競争に巻き込まれている」「コミュニケーションのスピードが発揮されていない。人が育たない」「時代にあったワーカーのニーズを拾えず、優秀な人材が集まらない」とったいもの。これらの課題に対して、経営者は「過去の成功にとらわれず、いかに新しいことに挑戦できるようにするか」を訴える。これがいわゆる「ワークスタイルイノベーション」だ。

よく耳にする企業の課題

 では、こうしたワークスタイルイノベーションは進んでいるのか? セミナーに来た1000名近くに話を聞くと、16.8%が進んでいるという答えになったという。逆に生産性の高いオフィス環境が実現できているか? という質問には、84.2%が生産性が低いと答えた。この2つの数字を見て、鈴木氏は「お互いの数字(16.8と84.2)がほぼ反転している。両者にはなんらかの相関関係があるのではないかと考えた」と語る。つまり、ワークスタイルイノベーションに結びつかないのは、オフィスにも原因があるのではないかという仮説だ。そこでパフォーマンスを高め、ワーカーがいきいき働き、効率的に運用するにはどうしたらよいか?を検討しているという。

ITは進化したのに、人やオフィスはそのままでいいのか?

 実際、働き方は大きく変化しつつある。鈴木氏は、「クラウドソーシングやテレワークなどの普及で、オンラインで働く人が増える」「若者の地元定着志向が進み、地方で働く人が増える」「1980年代の人が意思決定する時代になり、働く人の価値観が変わる」など未来洞察を披露する。

 しかし、現実のオフィスはこうした新しい働き方やITの進化に追いついていない。鈴木氏は、Windows 95が出たばかりの1995年当時と、iPhoneやiPadなどが台頭する今を比べる。多くの席では紙の資料があふれ、持ち物が多すぎて、身動きとれない。机の上は片付いてもダンボールが山積みで、地震から身を守るのにまずダンボールをどかさなければならなかった。また、本来使う広さはそれほど変わらないにも関わらず、実際のオフィスでは偉い人は広い机、新人は小さい机を割り当てられる。

 さらに時間と部屋を固定した会議も、時間通りに始まらない、始まってから議題を決めるなどの問題がある。結局、紙の資料を眺めながら悩んでいるうちに意思決定者が途中で抜けて、なにも決まらないという無駄が発生する。

多くの席では紙の資料が山積み会議は果たして前に進むのか?

 鈴木氏は、「この20年を振り返るとITが先行して進化してきたのに、働き方やオフィスは、そのままでいいのか? そろそろ本気で考えなければならない。体に染みついた“95年スタイル”から、もう抜けださなければならない」と訴える。

Windows 95登場時と人やオフィスは変わっていない?

(次ページ、3・11をきっかけにクラウド+ICT活用を考えた)


 

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