フェイスブック自身ですらそれは無理だろう
ロイターによれば、フェイスブックはアップルやグーグルに続いて、ヘルスケア事業に取り組むそうだ。フェイスブックはオンラインでの「サポートコミュニティー」を形成し、健康的なライフスタイルをサポートするためのアプリを提供することを考えている。
しかしフェイスブックのこれに対する取り組み方には問題がある。
ロイターによると、「フェイスブックは最初の健康管理アプリを、目立たないよう違う名前でリリースするつもりでいる」。おそらくフェイスブックが日々のエクセサイズや血圧などのデータを知る事になると、ナーバスになるユーザーが出てくるというのがその理由だろう。ユーザーの信頼を得るするために、フェイスブックは自社のブランドを冠さず健康管理アプリをリリースし、それを使ってユーザーはお互いにデータをシェアするのだ。 – なんだか本末転倒ではないか。
患者のプライバシーを考慮する事は、健康管理においてもっとも重要なことの1つであり、フェイスブックが信用してデータを預けられるところかどうかについては、この企業のプライバシーポリシーについて議論を巻き起こしてきた歴史から見ても明らかに思える。
フェイスブックがリリースするアプリに自社ブランドを掲げないというのは、「フェイスブック・ヘルス」の様なサービスを誰も期待していない事を彼ら自身も分かっている事を表してはいないだろうか。
なぜそれでもフェイスブックはやろうとするのか?
フェイスブックは既にユーザーについての莫大なデータを保持している。氏名や住所、オンラインで何を読んでいるか、何に興味があるのかなどだ。健康データはこういった情報を更に補強する事になるだろう。
既に健康問題では、PatientsLikeMeや#BCSM breast cancer community chatsなどのオンラインでのサポートコミュニティーが存在する。フェイスブックは人々が他の患者とコミュニケーションを取りたいという希望を利用して、フェイスブック上で同じようなコミュニティを作ろうとしているようだ。ロイターの匿名ソースによれば、フェイスブックはまだその為のアイデアを集めてる段階であり、健康管理アプリのテストするための研究及び開発チームを組織しているところだという。
フェイスブックが健康管理のためのツールを開発しているということはそれほど驚くことでもない。今年のはじめ、フィットネスおよび健康データ記録アプリを所有する企業、Movesが買収された。この買収が発表されると、人々は間も無く、これまで預けていたデータがフェイスブックでシェアされるのではと疑問を抱いた。そして彼らは正しかった。Movesがフェイスブックに買収された後、フェイスブックでのデータ共有が可能になるよう、健康管理アプリのプライバシーポリシーが変更された。
今後、健康管理アプリがフェイスブック・ブランドの配下になるかどうかはともかく、プライベートポリシーはフェイスブックがあなたの健康情報にアクセスするのを許可するような内容になるのだろう。仲間内で健康データを共有するのに対し、人々は少々プライベートに踏み込み過ぎだと感じるかも知れない。それが大企業相手なら尚更だ。
トップ画像提供:Memories_by_Mike(Flickrより)
Selena Larson
[原文]
※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら