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あのAngry BirdsのRovioが130人の人員削減へ

2014年10月03日 17時30分更新

文● 末岡洋子

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 世界的ヒット作となったスマホ用ゲーム、「Angry Birds」のRovio Entertainment(フィンランド)が10月2日、組織を簡素化し、最大で130人のレイオフ(解雇)を行う計画を発表した。数年前に欧米を中心に大人気となったAngry Birdsだが、動きの激しいモバイルゲーム市場で苦戦していることがうかがえる。

Angry Birdsの新作のイメージ画像

 これはCEOのMikael Hed氏がブログで発表した(関連リンク)。Hed氏はこれまで複数の事業分野の開拓を行なってきたこと、急ピッチでの成長ペースを想定してチームを構築していたことなど背景を説明。今回組織を簡素化することを発表した。これにともない、フィンランドで勤務する社員最大130人を解雇する計画とのこと。Rovioは2012年には500人程度だった従業員の数が現在800人規模になっており、130人という数は全従業員の16%に相当する。

 Rovioはフィンランドに2拠点持ち、スウェーデンにもゲームスタジオを構える。このほか、中国・上海、米カリフォルニア、韓国・ソウル、日本、英国にオフィスを構える。

これは筆者がフィンランドのオフィスを訪問した際に見かけた、Angry Birdsグッズのショップ

 Rovioは2003年創業、2009年に公開したAngry Birdsが大ヒットし、知名度を上げた。Angry Birdsはスマホのタッチ画面を利用した初期のモバイルゲームの代表的存在で、Rovioは早期からエンターテイメントブランドを目指しAngry Birdsのブランド化を図ってきた。ゲーム以外にもぬいぐるみやおもちゃ、衣類、テーマパークなどに拡大しており、2016年には映画公開も予定されている。

 しかしゲームでは苦戦が続いていた。スマホゲーム市場のトレンドの移り変わりは激しく、同じフィンランドのSupercellがシュミレーションゲーム「Clash of Clans」で大ヒットを飛ばすなか、Angry Birdsに続く大ヒットがない状態が続いていた。

 Rovioの2013年の売上高は1億5600万ユーロ、営業利益は3650万ユーロだった。一方のSupercellは2013年に8億9200万ドルを売り上げている。

 CEOのHed氏は人員削減を発表するとともに、今後もゲームのほか、メディア、コンシューマー向け製品への戦略的フォーカスは継続すると記している。


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