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IBMのx86事業をレノボが継承、米沢でのサーバー生産に意欲

2014年10月03日 06時00分更新

文● 編集部

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新会社の代表取締役社長に就任したロードリック・ラピン氏(中央)、日本アイ・ビー・エムから移籍し、取締役執行役員を務める小林 泰子氏(左)、同じく取締役執行役員の瀧口昭彦氏(右)

 レノボグループがIBMのx86サーバー事業を買収することを受け、日本で設立されたレノボ・エンタープライズ・ソリューションズ(LES)。日本アイ・ビー・エムのx86サーバー部隊が独立する形で設立し、10月1日から営業を開始している。

日本のサーバー市場は横ばいで安定的だが、まだ成長することはできると意欲を示した。

日本アイ・ビー・エム 常務執行役員の武藤和博氏は、今後5年間は保守サポートはIBMと提携。365日24時間グローバルで均一なサービスを従来と同じレベルで提供していくとした。

 LESの代表取締役社長には、レノボ・ジャパンおよびNECパーソナルコンピュータの社長も務めるロードリック・ラピン氏が就任。また、取締役執行役員として日本アイ・ビー・エムでx86サーバー事業を担当してきた小林泰子氏が移籍している。

 今回の事業買収で、米IBMはx86サーバーのための研究開発拠点と製造拠点をレノボに移管することになるが、販売およびサポートに関しては引き続きIBMが担当。System xを始めとしたサーバー製品にも引き続きIBMのロゴが使用されることになる。レノボグループはそのハードウェアの開発および製造を担当する。またIBMの事業を買収する以前からレノボが独自に投入してきたThinkServerなどのブランドは継続。

 会見では“MADE IN YONEZAWA”の名のもとに、国内向けのx86サーバーの製造をNECパーソナルコンピュータ(NEC PC)の米沢工場で実施する計画があることも披露された。計画の実現に向けて今後ユーザーニーズや生産体制などを検証。6ヵ月以内に方針を決めていくという。

 なおNEC PCはレノボ・ジャパンがNECと合弁で設立したLenovo NEC Holdingsの100%子会社で、事業領域は個人向けパソコンの開発と販売。NEC本体もサーバー事業を持つため混同しやすいが、NECのサーバー事業とNEC PCとは独立した関係となる。

 国内においてレノボグループは、クライアントPCを担当するレノボ・ジャパンとNEC PC、x86サーバーを担当するレノボ・エンタープライズ・ソリューションズを持つ形となり、サーバー分野では国内トップシェアのNEC、2位の富士通、3位のHP、4位のデルとシェアを競うことになる(上位3位の順位に関してはここ数年変化がない)。

 ラピン社長は、レノボグループはProtect&Atackの戦略が好調であり、PC市場では世界No.1のシェアを維持できているとコメント。さらにタブレットの売り上げも増加し、Motorola Mobilityの買収などを通じてスマートフォンの分野でも世界第4位のシェアを獲得するに至っているとした。さらに今回、x86サーバーのビジネスでも14%のシェアを持つ世界第3位の企業となる。グローバル市場で培ったレノボの高いオペレーション能力(ハードウェア製造に関するスケールメリット)とIBMの持つ高い研究開発能力を組み合わせることで事業拡大を図る。

レノボは事業買収を経て、PC・スマートデバイスの分野で成長を続けている

国内のサーバー市場。規模は横ばい、トップ3社の順位の変動はない状況

 なお国内のサーバー市場では、日本のx86市場はVery Stable(横ばい)で、IBMのシェアは5位だが満足はしていないとコメント。まずは4位の奪還を目指すが、将来的にはトップシェアを狙うと野心も示した。

 新オフィスは秋葉原のUDXビルに構える計画で、13億円を投じてソリューション検証センターやデモンストレーションセンターも併設する。

新オフィスは秋葉原のUDXビル内に構える。Lenovo Enterprise Solution Centreを開設し、検証用のスペースを用意する。

System xのテクノロジーを活用しているクラウド事業者のサービスを体験できるショールームを準備。また、Windows Server 2003延長保守サポート終了に伴う、課題解決など、エコシステムの拡張にも取り組む。

会見にはインテル執行役員営業本部本部長の大塚桂一氏、日本マイクロソフト執行役コンシューマー&パートナーグループ OEM 統括本部長の金古毅氏、レッドハット代表取締役社長の廣川裕司氏、ヴィエムウェア代表取締役社長の三木泰雄氏なども出席。エンドウスメントを表明した。

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