仕事や学業で利用するレポートなどでは、文章中に表を織り交ぜて作成することもあるだろう。前回、そうしたときに便利な、Wordでの表作成機能について解説したが、今回はさらに一歩踏み込んだテクニックについて解説する。
Wordの機能で表を作成すると、オートフィルや高度な関数計算ができない。それを解消するためには、Excelで表を完成させておけばいいが、Wordに貼り付けてしまったあとで大掛かりな修正を行おうとすると、表計算の機能不足で面倒な作業を強いられることになる。後々のデータの修正が必要になりそうな場合は、Excelで編集可能な表を作成することが可能だ。こうした、別アプリで編集可能なオブジェクトのことを、Office for Mac 2011では「リンクオブジェクト」と呼んでいる。
リンクオブジェクトの特徴は、オブジェクト内のデータ編集についてはWordはほとんど関与せず、別アプリに頼るという点だ。表のリンクオブジェクトをWordに貼り付けると、クリック時にExcelが起動し、オートコレクトや関数といった表計算機能が利用できるようになるため、編集のスピードが格段にアップする。Wordには、Excelの表やグラフのほかに、マクロなどを組み込んだ別のWord文書、専用のエディターを用いた数式などをリンクオブジェクトとして挿入可能だ。
リンクオブジェクトの利点は、使い慣れたアプリケーションでの編集ができるという点。一度作成したデータを再編集する際にも、元のアプリに戻ることができる。ただし、リンクオブジェクトは、Excelのシートやグラフといった、限られた形式のみでしか利用できない。一方、データをペーストした場合は元のアプリケーションに戻ることができない。こうした形式で挿入されたものを「埋め込みオブジェクト」と呼ぶ。埋め込みオブジェクトの利点は、扱えるデータ形式の幅が広いという点だ。HTMLや画像など、さまざまな形式を貼り付けられるなど、取り込みの自由度は高い。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
リンク オブジェクト |
データの再編集ができる。 使い慣れたアプリケーションを利用可能。 |
作成できるデータ形式が限定される。 |
埋め込み オブジェクト |
画像やHTMLなど扱える形式の幅が広い | データの再編集ができず、修正が必要な場合は別のアプリで作りなおす必要がある。 |
(次ページでは、「挿入可能なリンクオブジェクトの例」)
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