BlackBerryは9月24日(現地時間)、最新のスマートフォン「BlackBerry Passport」を発表した。BlackBerryの特徴であるQWERTYキーボードを搭載しているものの、フォームファクタはこれまでとは異なり”Passport(パスポート)”という名前の通りの長方形で新しさを感じさせる端末となっている。
BlackBerry Passportはステンレス製ボディーを採用し、128×90.3mmと通常のパスポートとほぼ同じサイズ(厚さは9.3mmで、重さは約194g)。その中にアスペクト比1:1と正方形の4.5型ディスプレーを搭載した。
画面解像度は1440×1440ドットで453ppi。ゴリラガラス3で覆われており、タッチ操作にも対応する。画面が大きくなることで、BlackBerryユーザーがよく利用する電子メールの閲覧や作成がスムーズになり、ウェブブラウジングや地図アプリなどの利用も改善するとしている。画面はランドスケープモードでも利用できる。
その正方形の画面の下にQWERTYキーボードを持つが、これまでのBlackBerryとは異なりシンプルな3段配列となっている(「V」と「B」との間にスペースキーが配置されている)。
キーボードは”業界初“というタッチ対応でトラックパッドも兼ねている。既存のBlackBerry 10スマホの仮想キーボードと比較すると誤入力率は平均で74%低くなり、約4倍精度を改善するという。
「万国共通のモビリティーのシンボル」であるパスポートに着想を得たものということで、正方形の画面を持たせることで、長方形型の画面ばかりのスマートフォン市場においてブレークスルーを図るとBlackBerryはコンセプトを説明している。
CPUは2.2GHzのクアッドコアSnapdragon 800を搭載、メモリーは3GB。ストレージは32GB。microSDで拡張も可能。無線通信方式はLTE、802.11acのほか、NFCもサポートする。カメラはメインが13メガピクセルで、フロントにも2メガピクセルカメラを搭載する。バッテリー容量は3450mAhで持続時間は最大30時間としている。
OSは2013年1月に発表された「BlackBerry 10」の最新版となるバージョン10.3。「BlackBerry Assistant」「BlackBerry Blend」などの新しい機能を持つもので、同バージョンを採用した機種は、Porsche Designとコラボした2000ドルの「BlackBerry Porsche Design P’9983」とともにPassportが初となる。
Blackberry Blendは、3Gなどのセルラー、WiFi、USB接続経由でBlackBerryスマートフォン側のメッセージやコンテンツをコンピュータやタブレットで表示するもの。コンピューターはMac OS X 10.7以上、Windows 7以上、Android 4.4以上を搭載したAndroidタブレットに対応する。今度対応するタブレットを拡充していくとしている。BlackBerry AssistantはBlackBerryが初めて導入する音声アシスタント機能。SiriやGoogle Nowのようなもので、音声やテキストで制御できる。
このほか、同社のアプリストア「BlackBerry World」、それにAmazonのアプリストア「Amazon Appstore」もインストール済み。これらからアプリを入手できる。BlackBerry Passportは北米、欧州などの市場で販売を開始した。契約なしの価格は米国で599ドルからとなっている。