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Tokyo Otaku Mode、15億円の使い道は

2014年09月26日 16時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)/大江戸スタートアップ

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 「東京オリンピックが開催される2020年をめどに売り上げ100億円、外貨獲得を目標にまい進したい」

 25日、Tokyo Otaku Mode Inc.(TOM)亀井智英代表が緊張の面持ちで会見した。

 TOMは同日、経産省系の官民ファンド・海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)から、今後3年間で最大15億円を調達すると発表。会見で投資に至った経緯を明かすとともに、今後の方針を示した。調達資金をインターネット広告や人材獲得にあて、2020年までに売上高100億円を目指す。

 TOMはアニメ・マンガ・ゲームの情報を配信するニュースメディア、国内のアニメやマンガの関連グッズを海外85カ国に販売するショッピングサービスの二軸で運営している。現在の収益部門は後者の物販だ。

 これまでTOMはFacebookページで集めた1600万人のファンをサイトに流入させるというサイクルをメインに運用しており、プロモーションはFacebook広告が主だった。今回の15億円調達によって、今後はグーグルなどにも出稿し、より広い層に向け、開けたプロモーションをはかっていきたいという。

 資金は人材獲得・多言語化のほか、設備投資にもあてる。

 従来は国内を流通拠点としていたが、先月、北米に自社の物流拠点を設置している。製造元が北米に在庫を持っているケースが多いためだ。「箱がめちゃくちゃになっていたが中身は無事で良かった」といった利用者の声を受け、北米の現地法人と組むのではなく自社運営にこだわった。

 「日本-北米体制を築き、今後はアジアにも展開できる拠点を作っていきたい」(小高奈皇光CFO)

 小高CFOによれば、ニュースメディアの読者層はアジア・米国・ヨーロッパの順だが、ショッピングサービスは「GDPが高い国ほど売れている」。売り上げの40%強は北米だ。客がTOMを選んでいるのは、海賊版ではない正規品が買えるためだという。海外では海賊サイトがなくなるとアニメが見られなくなってしまうといった意見さえ出ており、「日本のコンテンツはニッチで、知る人ぞ知るという状態」にとどまっている。

 「日本のコンテンツが面白いことに気づいている人が少ない状況は変わらない。今いるファンも育てながら、1600万人以上にファンを増やしていかなければ」


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