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対応データソースにHadoopを追加、予測モデルの精度向上、地理情報の利用など

SAP、予測分析製品の最新版「InfiniteInsight 7.0」提供開始

2014年09月26日 09時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 SAPジャパンは9月25日、予測分析ソリューションの最新版となる「SAP InfiniteInsight 7.0」の提供を開始した。対応データベースにHadoopを追加したほか、予測モデルの精度向上、地理情報への対応といった新機能がある。

 InfiniteInsightは、データサイエンティストのような統計解析の専門知識を持たないビジネスユーザーでも、データマイニングによる高度な予測分析を実行できるよう支援するソリューション。予測分析を行うための変数作成やモデル構築、分析作業を、機械学習を用いて自動化/最適化し、データ解析にかかる時間を大幅に短縮する。

SAPの予測分析ソリューション3つ(Lumira、InfiniteInsight、PAL/R Integration)とターゲットの違い。InfiniteInsightは専門知識を持たないビジネスユーザーをメインターゲットとしている

従来のデータマイニング手法とInfiniteInsightの比較。データの準備からモデル構築/検証まで、これまで手作業で数週間~数カ月かかっていた処理を、機械学習も用いた自動化により数時間~1日程度で済ませる

 最新版の7.0では、「サポートするデータベース(DB)の追加」「予測モデルの精度向上」「地理情報への対応」という大きく3つの改善点がある。

 サポートDBとしては、従来から対応していた「SAP HANA」「SAP Sybase IQ」「MySQL」などに加え、「Hadoop Hive」「Pivotal Greenplum」が追加された。ODBC経由でデータソースにできるだけでなく、InfiniteInsightが生成したモデルからそれぞれに対応するSQLを生成することもできる。

 また、データソース内のカラムを組み合わせて新しい説明変数を作成する機能の追加や、目的変数が連続的な場合のエンコーディングを改善したことで、より精度の高い予測モデルの構築が可能となった。

 また、新たに変数として位置情報(緯度や経度など)を組み込むことが可能となった。予測分析の結果を「Google Earth」上に重ねて表示させたり、業界標準フォーマット(KML、GML、Shapefileなど)でエクスポートできる。

位置情報に対応し、Google Earthなどと組み合わせることで、さまざまな予測分析の結果を地図上にマッピングすることができる

 SAPジャパン イノベーション&ソリューション統括本部 アナリティクスソリューション本部 部長の中田淳氏は、InfiniteInsightの販売動向と戦略について、次のように語った。

 「InfiniteInsightは、昨年買収した段階で金融、通信、小売、Eビジネスの顧客が約8割を占めていた。買収以後、元々SAPが得意とする公共、製造といった顧客にも広がっている。また、マーケティング分野中心の利用だったものが、予防保守や需要予測、不正検知などでも利用されている。国内パートナーに関しては、買収当時の1社から16社へと拡大しており、今後も増やしていきたい」(中田氏)

 さらに中田氏は、InfiniteInsightが備えるモデル自動作成の機械学習エンジンを、SAP製品だけでなく他社アプリケーションにもOEM提供していく方針を説明した。

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