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ベルリン住宅事情の課題を解決するスマートキーベンチャー

2014年09月20日 07時00分更新

文● ガチ鈴木大江戸スタートアップ

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 東京都とベルリン市の友好都市提携20周年を記念した取り組みの一環で、日独ベンチャーシンポジウム“都市における起業家の育成~東京・ベルリンにおけるベンチャー企業事情~”が東京国際フォーラムで2014年9月19日に行なわれた。日独でのベンチャー事情について、産学官の取り組みなどが登壇者により語られた。基調講演に登壇したのはベルリンでハードウェアベンチャーを立ち上げた「キウイ・キ」のクラウディア・ナーゲル共同創業者。ベルリンで成功を収めつつあるスタートアップ企業だ。

日独ベンチャーシンポジウム

 キウイ・キは、RFIDの無線通信技術を使った住宅の非接触キーシステムを開発提供。スマートフォンとも連携し、アプリで鍵の認証設定も行なえる。例えば、友人のキーに時間を指定して自分の家の開錠権を付与すれば、その時間帯は友人が開錠できるようになるというもの。2014年1月に提供を開始し、すでにベルリンで9万のドアがこのシステムを使っている。

日独ベンチャーシンポジウム

 成長の理由は、周辺サービスを巻き込む形でベルリンの住宅事情を解決するシステムを作成できたことだ。ベルリンに多くある集合住宅では、それぞれの郵便受けやごみ収集場所が鍵がかかっているという。そのため郵便配達やごみの収集者は、多くの鍵の束を持って市内を回っている。

 各事業者の持つ鍵に時間を指定した開錠権を与えれば、もう鍵の束は必要なくなるといわけだ。ドイツ郵便はベルリンにある21の配達地域で導入し、廃棄会社もパートナーとなっている。どの国でもスタートアップ成功の鍵は、身の回りの課題を解決することにヒントがあることがわかる。

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