国内初公開のGALAXY Note EdgeとGear Sも触ってみた
発色スゴい! Oculus×サムスンが生んだお手軽HMD「Gear VR」を体験
18日から千葉県の幕張メッセにて、国内最大級のゲームイベント「東京ゲームショウ2014」が開催されている(関連記事)。毎年、出展内容にゲーム業界のトレンドが反映されているが、今年のビッグウェーブと感じたのがバーチャルリアリティー関連だ。
Facebook傘下の米Oculus VRブースでは、PC用のヘッドマウントディスプレー「Oculus Rift」(オキュラス・リフト)をぜひ体験しようと開場直後から最後まで長蛇の列が途切れなかった。ソニー・コンピュータエンタテイメントのブースでは、PS4向けの「Project Morpheus」(プロジェクト・モーフィアス)を用意し、国内で初めて一般ユーザーが体験できる機会を設けている。
そんな勢いのあるVRの分野で最近注目を集めているのが、サムスン電子が9月頭に、ドイツの「IFA 2014」で発表したVRヘッドマウントディスプレーの「Gear VR」。Android端末の「GALAXY Note 4」をカチっとはめ込んで、360×180度の全周パノラマコンテンツを楽しめるという、Oculus RiftやMorpheusのお手軽版ともいえるアイテムになる。国内ではまだお披露目されていなかったが、ゲームショウの会場で体験できるというのでガッツリさわってみました。
Oculus VRが本気を出してつくったモバイルのVRHMD
スマホを差し込んで使うHMDというと、「どうせオモチャでしょ?」とネガティブな印象を抱いてしまう方もいるかもしれないが、実はGear VRの開発にはOculus VRが関わっている。それも名前を貸した程度ではなく、1年以上前からコラボレーションを始めて、Oculus Mobile SDKを新規に開発したほどの深い関わりだ。
Oculus VRでモバイルチームを率いるのは、CTOであるジョン・カーマック。WolfensteinやDoom、QuakeといったPCゲームに携わり、数々の表現革命をもたらしてきた3Dグラフィックにおける神のような人物だ。「その道20年の伝説的パティシエが挑戦した新作スイーツ」……というと語弊があるかもしれないが、そんなカーマックが挑戦したデバイスと言われると、やっぱりみてみたくなりますよね?
まず体験して感じたのは、有機ELディスプレーの発色のよさだ。特にユニティちゃんのライブでは、ステージ背景やユニティちゃんの周囲を回るパーティクルなど、光り輝く部分で鮮やかさが伝わってきた。
表示もクッキリと精細だ。GALAXY Note 3のパネルをそのまま流用したOculus Riftの第2世代開発キット(DK2)は1920×1080ドットのフルHDだが、GALAXY Note 4のGear VRはそれを上回る2560×1440ドット。正直、その場で見比べたわけではないのでそこまで違いがわからなかったが、「なんか解像感が低いな」という印象はなかった。
頭を振ったときにも、映像が遅れることなくしっかりと追従してくる。PCを使うOculus Riftに比べて、グラフィック性能に限りがあるスマートフォンでは3D表現の幅がどうしても狭まってしまうが、今回のデモに関しては違和感なし。むしろPCにつなぐケーブルがないのが快適で、HMD側のタッチパッドで操作できるという点は、Oculus RiftよりGear VRが勝っている。
筆者的には「モバイルでここまでできるなら十分じゃん!」という気持ちでかなり満足だったのだが、ほかに体験していたASCII.jpの編集部員からは「メガネが入れられないのがちょっとねー」という意見も聞かれた。
ともあれ、Gear VRは、今秋にはアーリーアダプターや開発者に向けて、Innovator Editionと呼ばれるバージョンが提供される予定だ。その中にはVR用のコンテンツストア「Oculus Home」、映画館に座った感覚で映像を鑑賞できる「Oculus Cinema」、全周コンテンツを再生する「Oculus 360 Videos」や「Oculus 360 Photos 」といった4種類のアプリも盛り込まれている。
ここ最近のVR業界では初めて、スマホでアプリを入手する感覚でVRコンテンツにアクセスできるようになるのが目新しい。ドリームワークスや20世紀フォックスなどの映画会社、DeNAやハーモニクス・ミュージック・システムズといったゲームメーカーなどもコンテンツパートナーに名乗りを上げているので、どれくらいVRに特化したコンテンツが充実していくかが期待されるところだ。
ASCII.jpの最新情報を購読しよう