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Startup Weekend

恐怖の中国「ドブ油」、日本のベンチャーで解決したい

2014年09月16日 16時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)/大江戸スタートアップ

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 14日、スタートアップ創業体験イベント「スタートアップ・ウィークエンド・トーキョー・ヘルスケア」が開催。製薬会社、IT企業、大学院などから参加した70名が合計11組のチームを作り、起業のアイデアを争った。優勝したのは中国の「ドブ油」と呼ばれる汚染油問題を解決するアイデア「無毒油」(ウードゥーユー)だった。

 中国では現在、廃油の再利用による食用油の汚染が社会問題となっている。最も深刻なのは、下水から油を抽出して流通させる「地溝油」(ちこうゆ)だ。ドブ油とも呼ばれ数年前から問題視されているが、中国一部地域では10%の飲食店が地溝油を使っているとする調査結果もあったという。

 そこで無毒油チームが考案したのはシャープペン状の試薬投与機だ。飲食店で食用油が汚染されているかどうかを確かめるため、食品に試薬がついた「芯」をあてる。試薬で活性酸素の含有量などを調べ、危険なら赤、安全なら青という形で、投与機のLEDライトを点灯させる。

 プレゼンを担当した島本佳紀チームリーダーによれば、発想のきっかけは「朝マック」だった。

 「普段から朝マック(マクドナルド)に行っていたから、中国の(チキンナゲットの賞味期限切れ鶏肉使用)問題が気になっていた。そこから中国の食品問題を調べていったら、汚染油に行きついた」

 中国大手・百度も同様のアイデアを出しているが(関連記事)、「日本製というブランド力で勝てるのではないか」(島本氏)。上海・北京など富裕層核家族の多いエリアを中心に、安全性を売りに展開したいという。チームの調査によれば、顧客にあたる中国人は「1.6~3.2万円以内なら買いたい」と話している。

 惜しくも優勝を逃したが、ほかのチームからは「笑顔の写真を撮影し、本当の笑顔かどうかを判定する営業・接客業者向けのアプリケーション」「稀少難病患者と専門医をつなぐマッチングサービス」「ケアマネージャーが介護施設の空き状況を一覧できるウェブサイト」などのアイデアが登場し、会場を沸かせた。

 次回のスタートアップ・ウィークエンド・トーキョーは10月3日(金)開催の「Startup Weekend Tokyo Women Vol.2」。女性が出すアイデアに限定するが、チームには男性も参加できる。開催場所はGoogle Japan(東京都港区 六本木6−10−1 六本木ヒルズ森タワー)。申し込みはStartup Weekend Tokyoから。


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