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最新小型ベアボーンPC活用術 第1回

手のひらサイズにミドルクラスGPU! ロマン溢れるBRIX Gaming

2014年09月16日 17時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax

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 NUCをはじめとして、手のひらサイズのベアボーンはすっかり定着した。メインPCのようにヘビーな作業を実行できる性能ではないが、ミドルクラスのパフォーマンスであれば、Core i7を搭載する製品もあり、ひと昔前ならデスクトップ機でないと対処できなかった作業も、そういった小型PCでOKな時代になっている。本特集では、最近発売された注目の小型ベアボーンをレビューしていく。

BRIX Gaming

 ASCII.jp読者諸氏においては、9割くらいが衝動買いをしていると思うNUCをはじめとする小型PCベアボーン。それに共通する弱点は、GPU性能の弱さだと感じているはずだ。当然ながら物理的な容量の問題でGPUを搭載できないからであり、諦めるほかない要素である。

 だが、そこを強引に売っちゃった製品が登場した。GIGABYTEのBRIX Gamingこと「GB-BXI5G-760」である。デスクトップ向けのNVIDIA GeForce GTX 760を搭載した「変態PC」であり、圧倒的な近未来感を持つベアボーンでもある。そんな同機の性能をねちねちとチェックしてみることにした。なお先に記しておくが、カジュアルなPCユーザー向けではない。

容量0.88LのウルトラコンパクトゲーミングPC

 「GB-BXI5G-760」は、上記の通り、手のひらサイズの小型PCベアボーンだ。公式サイトを見るとウルトラコンパクトとあり、スペックシートからしてもその通りといえ、さらに付け加えるならばウルトラコンパクトゲーミングPCといってもいいだろう。

 本体サイズは128×114.5×59.6mmで、他のBRIXシリーズよりも背が高くなっている。当然、これはNVIDIA GeForce GTX 760を搭載しているためだ。搭載されているCPUは、Core i5-4200H。メモリーはDDR3Lスロット(1333/1600MHz)×2で、最大16GBまで。

 ストレージはmSATA×1、2.5インチストレージの搭載に対応しているため、システムをmSATAに割り当て、データ置き場として2.5インチHDDを選ぶこともできる。なおDDR3Lとあるが、低電圧版でないメモリーモジュールでの動作を確認しているので、使い回しに際して気にする必要はないだろう。

本体正面。マイク・ヘッドフォン端子、USB 3.0×2を備える

本体背面のインターフェースはmini HDMI×2、mini DisplayPort×1、有線LAN、USB 3.0×2という構成だ

本体底面。BRIXシリーズではおなじみである裏フタを開きやすくするハンドルがある

側面から内部構造がチラ見できるのが実にいい

電源スイッチは天板部にある

ACアダプターは、本体よりも奥行きがある。GPUも搭載しているので仕方ない部分だ

 そのほかのインターフェースを見てみると、USB 3.0×4、IEEE 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.0、有線LAN、ヘッドフォン・マイク端子となっている。ワイヤレス機能はMini-PCIeカード接続であり、延長ケーブルでGPU増設といった、やんちゃな改造にも応えてくれるだろう。

 さて、ケーブル回りを見て注意したいのが出力端子だ。mini HDMI×2、mini DisplayPort×1となっており、デスクトップ中心の環境からの場合、変換アダプターが必要になる。といっても、最近のビデオカードには変換アダプターが同梱されているケースが多いため、事前に自宅にあるビデオカードの箱をチェックしておくといい。

ギガバイトからのメッセージを感じる内部構造

 ベアボーンキットに属するため、組み立て自体は至極カンタンになっている。必要なものは、メモリーとストレージの2つ。底面からアクセスして取り付けるだけであり、自作PCを一度でも組み立てた経験があれば、苦戦をする要素は皆無といえる。

 自作PCへの入門としてベアボーンは事故率も低く、揃えるものも少ないため、ここでは取り付け過程を見ていこう。用意したものは、余っていたDDR3(1333MHz)8GB×2とCFD「CSSD-S6T128NHG6Q」のふたつだ。

裏フタから内部にアクセスしたところ。標準的なレイアウトになっているが、5cmファン×2の存在がけっこう大きい

2.5インチストレージをマウントするユニットは独立している

メモリを取り付けたところ。手間取る人は少ないだろう

 メモリーとストレージの取り付けがスムーズに進むのは、そのほかのBRIXシリーズと同じ。ただし、本製品はデスクトップ向けのGPUを搭載しており、内部構造がどうなっているのか気になるところだ。そんな好奇心を意識しているのか、内部はとてもカンタンな作りになっている。

 大半の超小型PCベアボーンの筐体は、半一体成形になっており、マザーを取り外すのも面倒なことが多いのだが、本機の場合は背部インターフェース部を取り外せるため、そのあたりはとても快適。「自作PCなキミタチは好きにアプローチしていいぞ!」的なメッセージを感じてしまった。

背部インターフェース部のパネルを外したところ。ゴツい銅製ヒートシンクがかっこいい。HDMI端子も確認できるが、これはオンボード出力のもの。UEFI側で無効化されているので、デフォルト状態のままだとOS側では検出されない

 後述するが、5cmファン×2とデスクトップ向けGPU、超小型ケースの時点で騒音と発熱はステキなものなので、基板だけ引っこ抜いて好きなケースに入れるのも想定されているのではないだろうか。というか、次ページから触れるベンチマークや熱の検証結果を見ると、まず基板を引っ張り出してどうこうしたくなるだろう。

真横から見てみるとマザーボートとGPUの位置関係がよくわかる。それにしても強引な構造だなぁ……

→次のページに続く (小型ゲーミングPCとしては最強の性能?

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