CPU性能を定番ベンチマークで確認
まずは定番ベンチマークの「CHINEBENCH R15」と「PCMark 8」、動画エンコードアプリの「TMPGEnc Video Mastering Works 5」を使用してCPU性能をチェックしていこう。
CHINEBENCH R15はシングルとマルチで計測したが、「Core i7-5960X」はさすが16スレッドといえるスコアーで頭ひとつ抜きん出ている。ただ、CPUコアの性能が顕著に出るシングルコアは、Ivy Bridge-Eから若干向上しているが、「Core i7-4790K」には大きく負ける悲しい結果に……。注目は「Core i7-5820K」!! 期待通り、Ive Bridge-E勢を余裕で追い抜いたスコアー1000オーバーを叩き出している。
続いては実使用環境のPC性能を計測する「PC Mark 8」だ。テストは家庭での一般的な使用シーンを想定した「Home」、動画や写真などの加工がメインの「Creative」、オフィスでの事務作業を想定した「Work」の3種類で計測している。
また、「Home」は各テストの詳細な結果もまとめた。“s”と“ms”が付くものは数値が小さいほど優秀ということで、“fps”が付くものは大きいほうが優秀になる。
PCMark 8 HOME スコアー詳細 | |||||
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Core i7-5960X | Core i7-5820K | Core i7-4960X | Core i7-4930K | Core i7-4790K | |
Web Browshing Jungle Pin | 0.315 s | 0.315 s | 0.310 s | 0.315 s | 0.313 s |
Web Browshing Amazonia | 0.133 s | 0.134 s | 0.133 s | 0.133 s | 0.134 s |
Writing | 4.75 s | 3.80 s | 3.95 s | 4.10 s | 3.20 s |
Photo Editing | 0.343 s | 0.336 s | 0.334 s | 0.335 s | 0.334 s |
Video Chat/Video playback 1 | 30.0 fps | 30.0 fps | 30.0 fps | 30.0 fps | 30.0 fps |
Video Chat/Video encoding | 36.0 ms | 42.0 ms | 41.0 ms | 43.0 ms | 45.0 ms |
Casual gaming | 103.0 fps | 102.7 fps | 97.2 fps | 96.6 fps | 133.5 fps |
各テストとも4コア/8スレッドの「Core i7-4790K」を下回る残念な結果に。「Home」の詳細スコアーを見てみると、Haswell-E、Ivy Bridge-Eともに、マルチスレッドが効くエンコード(Video Chat/Video encoding)は勝るものの、写真や図版の入ったテキストを作成する「Writing」やDirectX 9世代の負荷の低い3Dテストの「Casual Gaming」では、スレッド数よりも動作クロックが影響するのか、ほかのテストよりもスコアーに差が出ている。
とくに定格クロックが3GHzの「Core i7-5960X」は、「Writing」で最も処理に時間がかかるスコアーになっている。日常用途でHaswell-Eが「Core i7-4790K」に勝るシーンはかなり少なそうだ。
CPU性能チェックの最後は動画エンコードだ。「TMPGEnc Video Mastering Works 5」を使用して、1440×1080ドットのTSファイル(約17分30秒)をiPhone向けとなる720×480ドットのmp4ファイルにエンコードした際の時間を計測している。
さすがにスレッド数が効く、動画エンコードだけあってHaswell-E勢が優秀な結果を出している。「Core i7-5820K」もなかなか優秀で、同じ6コア/12スレッドとなるIvy Bridge-E勢を30秒前後引き離している。1コアあたりの性能が非常に高い「Core i7-4790K」には辛勝といった感じだが、頻繁にエンコード作業を行なうユーザーは、5820Kで組むのを考えても良さそうだ。
→次のページヘ続く (ゲーム性能、消費電力、温度は?)
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