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しっかり者のファイルサーバー、ReadyNASがやって来た! 第1回

デスクトップ型/ラックマウント型の違いと共通機能を知る

オフィスにやって来た「ReadyNAS」をじっくり観察してみる

2014年09月16日 15時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 本連載「しっかり者のファイルサーバー、ReadyNASがやって来た!」では、企業向けネットワークストレージReadyNASの特徴的な機能や使いこなしを、実機レビューをふまえながら紹介していく。まず第1回は、ハードウェアと基本機能について見ていこう。

ReadyNASが編集部にやって来た!(不意に)

 「ネットギア×ASCII.jp」マイクロサイトのオープンに当たって、ネットギアの担当者から「『ReadyNAS』の特徴や魅力を伝え、読んだら誰でもすぐに使えるような記事を」とのリクエストをいただいた。はいはい、喜んで。

 「せっかくなので、実機を触りながらレビュー記事でも書きましょうかねー」などとお気楽に答えていたのだが、それもすっかり忘れていた数日後、ネットギアから巨大な段ボール箱が3つも届いてしまった。はっはっは、どうしよう。

ある日出社したら、デスクの上に巨大な段ボール箱が!3つも!(※筆者の驚きを表現しています)

 ドキドキしながら段ボール箱を開けると、貸出機としてデスクトップ型とラックマウント型のReadyNASが1台ずつ、そしてHDDが入っていた。さすが企業向けマシン、眺めていると格好良く、気分が盛り上がってきた。よーし、それじゃあいっちょう使ってみますか!

デスクトップ型とラックマウント型のReadyNAS

 さて、ネットギアが企業向けに提供するネットワークストレージ製品には、「ReadyNAS」と「ReadyDATA」という2つのブランドがある(詳しくはこちらの記事を参照)。そしてReadyNASでは、デスクトップ型とラックマウント型の製品をラインアップしている。

 今回編集部に届いたのは、ReadyNASのデスクトップ型最上位機種である「ReadyNAS 716X」と、ラックマウント型最上位機種の「ReadyNAS 4220」という2製品だ。いずれも、500ユーザーまでの中~大規模オフィスを対象とした製品である。

デスクトップ型「ReadyNAS 716X」の本体正面と背面。ちなみにフロントパネルはタッチ操作できる

ラックマウント型「ReadyNAS 4220」の本体正面と背面。2UサイズでHDDスロットがぎっしり

 見た目はまったく異なる2機種だが、実は搭載するソフトウェアは同じ「ReadyNAS OS 6.x」なのである。そのため「回数無制限のスナップショット」や「アンチウイルス」「ReadyNAS Replicate」「ReadyCLOUD」といった便利な機能群が、どちらの機種でも標準で(つまり追加費用なしで!)使えるようになっている。

大きな違いは「HDDスロット数」と「冗長化電源」の2点

 共通する機能は後ほど紹介することにして、まずはこれら2機種のハードウェアがどう違うのかを見ておこう。2機種の主なハードウェアスペックを表にまとめる。

ReadyNAS 716X(デスクトップ型) ReadyNAS 4220(ラックマウント型)
価格(税込) 71万2800円
(HDD別売)
194万4000円
(HDD 2TB×12付属モデル)
HDDスロット数 6(ホットスワップ対応) 12(ホットスワップ対応)
最大物理容量 24TB 48TB
冗長化電源 ○(ホットスワップ対応)
CPU クアッドコア
Xeon E3-1265Lv2 2.5GHz
クアッドコア
Xeon E3-1225v2 3.2GHz
冷却ファン 120mm 80mm×3(ホットスワップ対応)
寸法 D288 x W192 x H259(mm) D707 x W445 x H88(mm)
本体重量 7.97kg 11.96kg
消費電力(動作時) 96W 168W
USBポート USB 2.0×1、USB 3.0×2 USB 2.0×2、USB 3.0×2
ネットワーク
インタフェース
10GbE×2、1GbE×2

 表を見ると、デスクトップ型とラックマウント型の大きな違いは「HDDスロットの数(=最大物理容量)」と「冗長化電源の搭載」の2点だということがわかるだろう。

 2Uサイズのラックマウント型ReadyNASは全機種で、電源ユニットを2台搭載した「冗長化電源」構成になっている。万が一、片方の電源ユニットが故障したとしてもファイルサーバーが止まることはないし、運用を続けながら電源ユニットを交換(ホットスワップ)できる。

2Uのラックマウント型ReadyNASは冗長化電源を搭載している。安心感も2倍だ

 一方、デスクトップ型機種の特徴は、オプションの外付け拡張ユニット(EDA500)に対応していることだ。1ユニットあたり5つのHDDスロットを備えており、最大3ユニットを本体とeSATA接続することでディスク容量を増やすことができるようになっている。

 そのほかの小さな違いとして、搭載ファンの大きさが挙げられる。デスクトップ型では稼働中の騒音(ファン音)を抑えるため、大型ファンを低速で回転させる設計になっている。これならばオフィス内に置いても迷惑にならない。

一方でラックマウント型はファンを3つ搭載。このファンもホットスワップ対応で交換できる

 ちなみに、今回の2機種はいずれも10ギガビットEthernet(10GbE)ポートを標準搭載している。企業ネットワークも、これから徐々に10GbE化されていくだろう。ネットワークストレージは長年にわたって使うものなので、製品選びの際にはあらかじめ将来的な「余裕」も考えておきたい。

しっかりとした基本機能を備えるReadyNAS

 次は両機種に共通する基本機能を見ていこう。実際の使い勝手は、次回以降の記事で詳しくレポートしていく。

共通する基本機能
RAIDモード JBOD、RAID 0/1/5/6/10、X-RAID2
ファイル転送
プロトコル
CIFS/SMB(Windows)
AFP3.3(Mac OS X)
NFSv3 (Linux/UNIX など)
HTTP/HTTPS/FTP/FTPS/Rsync/WebDAV
Active Directory/SSL
クライアントOS Windows Vista/7/8(各32/64bit)
Windows Server 2008 R2/2012
Mac OS X、Linux/Unix、Solaris
Apple iOS、Google Android
iSCSI SAN
本体保証期間 5年間(付属HDD含む)
有償サポート オンサイト(4時間/翌日)、代替品クイックデリバリー(2時間/翌日)
HDD返却不要サービス

 ReadyNASでは、ソフトウェアRAIDによって主要なRAIDモードすべてに対応している。そして表にある「X-RAID2」は、HDDの台数に応じて最適なRAIDモード(RAID 1/5/6)を自動選択してくれるネットギア独自の機能である。ディスク容量が足りなくなってHDDの台数を増やすと、自動的にRAIDモードの切り替えやデータの再配置が行われる。「RAIDって何?」というユーザーは、ひとまずお任せしてしまえばいいわけだ。

 ファイル共有プロトコルは、Windows、Mac、Linux/UNIXのいずれにも対応している。WebDAVやHTTP/HTTPSなどを利用して、社外からリモートアクセスする手段も用意されている。近頃ビジネス利用が増えている、スマートデバイス(iOS、Android)からアクセスできる点もポイントだろう。

 またReadyNASは、NASとしてだけでなく、SAN(iSCSI SAN)ストレージとしても利用することができる“ユニファイドストレージ”である。手頃な価格でSANまで使えるのは嬉しい。

 そして、さまざまな機能設定や稼働状態の確認は、すべてブラウザベースのGUIツールからできるようになっている。専任のIT管理者がいなくても、豊富な機能を簡単に使いこなせそうだ。

管理画面はブラウザからアクセスする。稼働状態もGUIでわかりやすい!

 なお、ReadyNASは本体保証期間が5年間と長い。そして、HDD付属モデルの場合はHDDも保証対象となっている。通常はセンドバック保守だが、有償オプションとしてすぐに代替機が届くサービス、情報保護のためHDD送付を不要にするサービスなども用意されている。企業で利用する製品なので、こうしたサポート面もしっかりしている。

追加費用なし!スナップショットやレプリケーションも標準機能

 前述したとおり、ReadyNASはすべての機種で共通のソフトウェア(ReadyNAS OS)を搭載しており、豊富なデータ保護機能が標準で使えるようになっている。

 現在、大半のNAS製品では「スケジュールバックアップ」や「ディスク暗号化」といった機能が標準で使えるようになっている。だが、「回数無制限のスナップショット」「遠隔レプリケーション」「アンチウイルス」といった機能まで追加費用なしで使える製品は少ない。

 スナップショットは、ある時点でのファイルやフォルダの状態を記録しておく機能だ。うっかり重要なファイルやフォルダを削除したり書き換えたりしてしまった場合、スナップショットを記録してあれば、記録した時点のデータに復帰することができる。スナップショット回数(何世代前のデータまで記録するか)に制限のある製品が多い中、ReadyNASの場合は「回数無制限」というのがポイントだ。

 重要なデータを大規模災害から守るため、たとえば本社と支社など遠隔地に設置したReadyNASどうしでデータ同期を行うのが、遠隔レプリケーション機能の「ReadyNAS Replicate」である。ReadyNAS間は自動的にインターネットVPNで接続されるようになっており、専用の回線を用意する必要もない。比較的安価に、データのDR(災害復旧)対策が実現できる。

* * * * *

 今回はReadyNASのハードウェアや特徴的な基本機能を紹介してきた。次回は実際にReadyNASをセットアップし、管理画面で基本設定をしながら「本当にすぐに使えるのか?」を試してみたい。どうぞお楽しみに!

(提供:ネットギア)

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