ヴイエムウェアは9月8日、8月に米国で開催された「VMworld 2014」における新製品/サービスなどの発表内容に関する説明会を行った。
VMworldで発表された主な新製品については既報であるため、ここではそれぞれの新製品のターゲットや、ヴイエムウェアとしての狙いにフォーカスしてお伝えしたい。
「EVO: RAIL」は小規模向けのコンバージドインフラ製品
ハードウェアとソフトウェアの統合インフラ(コンバージドインフラ)製品「VMware EVO: RAIL(エボ レイル)」(関連記事)について名倉氏は、既存のコンバージドインフラ製品である「Vblock」よりもずっと小規模な、「IT管理者がいないような環境」をターゲットとした製品であると説明した。ヴイエムウェアではこれを“ハイパーコンバージドインフラ”という新しい分類としている。
2U/4ノードを最小構成とするEVO RAILは、小規模な環境でも導入しやすい価格帯になる見込み。さらに、導入や運用管理をシンプルなものとしており、販売を手がけるEVOパートナー(ハードウェアパートナー)がサポートもワンストップで提供する。
「これまでコストや人員の面で仮想化の導入に躊躇していた顧客が主なターゲット。特に、VDI(デスクトップ仮想化)のプラットフォーム、あるいは大企業のリモートオフィス/ブランチオフィスでの導入という2つの用途が大きいのではないか。今後、各EVOパートナーがソリューションを載せて販売することも考えられる」(名倉氏)
「vRealize Suite」はマルチハイパーバイザ/マルチクラウド対応
これまでのクラウド管理製品を統合、リブランディングして発表された「VMware vRealize Suite」(関連記事)と、同じくクラウド管理製品と位置づけられている「vCloud Suite」の違いはどこにあるのか。これについて名倉氏は、vRealizeはマルチハイパーバイザ、マルチクラウドが混在する環境(ヘテロジニアス環境)に対応していると説明した。
「vCloud Suiteは、ハイパーバイザも含めすべてVMware製品で固めた(オンプレミスの)プライベートクラウド環境に対応している。一方でvRealize Suiteは、マルチハイパーバイザ、他社クラウドも含めた(プライベート/パブリッククラウド両方の)管理に対応する」(名倉氏)
OpenStack、Dockerコンテナへの対応も
ヴイエムウェアが提供するOpenStackディストリビューションとして発表された「VMware Integrated OpenStack(VIO)」(関連記事)については、同社のSDDCプラットフォームにおいてオープン性を確保していくための取り組みだという。なお、VIOは現在ベータプログラムを実施しており、2015年上半期から提供予定。
具体的には、OpenStackのAPIやツールをvCloud Suiteと統合し、VMwareベースのインフラをOpenStack APIを通じてコントロール可能にするものとなる。さらに「Docker」などのオープンなコンテナAPIについても対応を表明している。
「VMwareのネイティブAPI、OpenStack API、コンテナAPI。あらゆるインタフェースを載せながら、基本のインフラは1つ(VMwareのSDDC)でまかなうことができるようになる」(名倉氏)